日本では、2~7歳の成羊の肉を「マトン」、1歳未満の子羊の肉を「ラム」として大別しています。ラムは柔らかくてくせがあまりありません。
マトンは歯ごたえが強く、牧草のような独特の香りがありますが、香味野菜を使って調理すればさほど気にならなくなります。
ヒツジ肉の栄養効果
トップクラスのカルニチン含有量
カルニチンは、脂肪をエネルギーに変換するときに必須の栄養素として体内でも合成されるアミノ酸ですが、一日につくられる量はわずかです。その上、体内でつくられるカルニチン量は年齢を重ねると減少していくので、食事からとり入れるようにしたいもの。
カルニチンは、主に肉類に含まれていますが、ヒツジ肉は他の食肉と比べて3倍~10倍もカルニチンを多く含みます。「カルニチンをとるならヒツジ肉」といえるほどです。また、マトンはラムよりも2倍ほどカルニチン含有量が多いという特徴があります。
不飽和脂肪酸・ビタミン・必須アミノ酸・鉄分が豊富
ヒツジ肉は、血中コレステロール値を改善し、動脈硬化を予防する不飽和脂肪酸が豊富です。
さらに、赤血球の形成に欠かせないビタミンB12や、糖質や脂質などの代謝に不可欠なナイアシン、貧血改善に役立つ鉄分、体内で生成することができない9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
おいしく食べるポイント
余分な脂を取り除く
ヒツジ肉の特有の臭いは脂にあります。この香りもおいしさの一つなのですが、気になる方は調理のときに取り除きましょう。
煮込み料理にするときは、アクや浮いてきた脂をすくいとると独特の臭いが軽減されます。
香味野菜やスパイスを使う
香味野菜やスパイスの風味がうま味を引き立てます。カレーや香草グリルなどにするのがおすすめです。
香味野菜:玉ねぎ・にんにく・生姜・セロリなど
スパイス:ローリエ・ナツメグ・タイム・ローズマリー・オレガノ・セージ・粗引きコショウなど
できたてを食べる
ヒツジ肉の脂は、冷めるとすぐに固まってしまう性質があるので、温かいうちに食べるとおいしくいただだけます。
ヒツジ肉は、健康的なダイエットをサポートしてくれる食材です。ちょっとしたコツを使って上手にとり入れてみませんか。