しかし、大きなストレスを抱えていたり、カロリーばかりを気にして極端な食事制限をするような状況だとホルモンバランスが崩れ、女性でも内臓脂肪がついてしまいます。
そこで今回は予防医療のプロである筆者が、健康にも大きな影響がある“内臓脂肪を落とす”おススメのドリンクをご紹介します。
■内臓脂肪がもたらすリスク
“内臓脂肪”という名前から、内臓全体についているイメージがあるかもしれませんが、主に腸を固定するための腸間膜という器官に蓄積されていきます。
お腹周りに脂肪がつくためクビレのない体型になり、“りんご型肥満”とも呼ばれます。
また、メタボリックシンドロームを日本語では“内臓脂肪症候群”と呼ぶように、糖尿病や心疾患のリスクが高まるのが内臓脂肪の怖いところ。
■内臓脂肪は「つきやすいけど落としやすい」
美容だけでなく健康に大きな悪影響をもたらす内臓脂肪ですが、実はつきやすい反面、落としやすいという特徴を持っています。
糖質の摂り過ぎなどによって血液中に過剰な中性脂肪があると、それが内臓脂肪になります。
ですが、ちょっとした運動とその運動によるエネルギー代謝を促進する成分を摂れば、皮下脂肪よりも先にエネルギーとして内臓脂肪が使われるので、皮下脂肪よりも落としやすい仕組みになっているのです。
このことから、内臓脂肪を撃退するポイントは“吸収させない・燃焼を促進する”の2つ。
■内臓脂肪に負けない体を作る「飲み物」3つ
(1)ココア
ココアには、糖質や脂質の吸収を抑える水溶性食物繊維と、腸を刺激し排泄を促す不溶性食物繊維が豊富に含まれているため、余分なものをブロックできます。
そして多くの酵素の補酵素として働くナイアシンも豊富なため、ついてしまった脂肪のエネルギー代謝を促進。
それだけでなく三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)の代謝を促すビタミンB2まで含まれているのですから、吸収させない上に代謝まで促進してくれるという優れもの。
その他にも、リラックス効果や基礎代謝を高める働きがあるといわれるポリフェノールのひとつ“テオブロミン”まで含まれています。
ただし、ミルクココアや砂糖をたっぷり入れたココアではその効果は望めません。大人の味覚を刺激するピュアココアを飲みましょう。
(2)ブラックコーヒー
コーヒーポリフェノールとも呼ばれるクロロゲン酸。抗酸化作用があるのはもちろんのこと、血糖値の急上昇を抑えるため、摂った糖質が脂肪になるのを抑えてくれます。
ただし深煎りコーヒーだとクロロゲン酸が減少してしまうので、できるだけ浅煎りのコーヒーを選ぶほうがいいでしょう。
ニンジンにもクロロゲン酸は含まれているので、カフェインの摂取を控えたい人はニンジンジュースを飲むのもおススメです。
(3)ローズヒップティー
ときどきカフェで見かけるローズヒップティー。鮮やかな濃いローズピンクの色とその酸味が特徴的です。
豊富なビタミンCや鉄分が含まれ、女性には嬉しい飲み物。鉄分を十分補給することで赤血球が体のすみずみまで酸素を運び脂肪の燃焼を促します。
その鮮やかな色はトマトダイエットでも話題になったリコピンによるもの。習慣的にローズヒップティーを飲むことで、美肌とダイエット両方の効果が期待できそうですね。
ココアやコーヒーは、「そういえば、流行ったよね。」と思われた人も多いはず。しかしブームが去るとすっかり忘れて継続しなくなってしまいますよね。
今回ご紹介した3つのドリンクは味も香りも違うものばかりなので、うまくローテーションして活用してください。
ただし、いくらこれらの飲み物を飲んだところで、ゴロゴロしてばかりいたらその効果は期待できません。運動と組み合わせることもポイントです。
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
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