ダイエットの際は、運動をしてたっぷり汗をかけば、それだけ効果があるように思えます。
運動によって体重を減らすという行為は、有酸素運動によって脂肪を燃焼させることです。この過程には当然発汗作用があるため、運動によるダイエットでは汗をかくことが不可欠といえます。
しかし、汗をかく度合いには個人差がありますよね。いわゆる汗っかきな体質の人は、それだけやせやすいということがいえるのでしょうか?
発汗の役割とは?
運動すると汗が出るのは、運動によって身体の体温が上昇しているからです。そのため、身体は体温を一定に保つために冷却作用が働きます。この冷却作用が発汗です。
汗をかくのは、運動によって上がった体温を元に戻そうとして、冷やしているのです。汗をかいた後に手早く拭き取らないと身体が寒くなってしまうのも、このためです。
基礎代謝と汗っかきの関係
基礎代謝とは、個人個人のエネルギー燃焼効率です。基礎代謝が高いほど摂取したカロリーを燃焼する効率が高いために、体重が落ちやすい体質といえます。
汗っかきの人は基礎代謝が高いというイメージがありますが、実際には、発汗の大小と基礎代謝に因果関係はありません。
汗をかくということは、身体の水分が一時的に抜けてしまうので発汗直後は体重が減りますが、そのままでは脱水症状を起こす要因となります。運動後の水分補給は大切なことであり、水分補給をすれば汗を流した分の体重は元に戻ります。
汗はあくまで身体の冷却作用であり、発汗自体はさほどエネルギーを消費するものではないのです。
太っている人は、よく汗をかく!?
太っている人は、特に夏場では大量の汗をかいているように思えます。太っているということは、体脂肪を多く蓄えているということに他なりません。
脂肪は保温作用が高いために、夏場でも熱を溜め込みやすいという性質があります。そのため、暑い時期は普通の体形の人よりも体温が上がりやすくなってしまい、冷却作用である発汗が激しくなってしまうのです。
ちなみに、上記で解説したように脂肪は保温性に優れるため、太っている人は寒さに強いということがいえます。自然界でも、寒い地域に住むシロクマやアザラシなどは、体脂肪率が非常に高い動物です。
汗をかくことは身体に良い
基礎代謝と汗の量に因果関係は無いため、汗っかきの人ほど体重が落ちやすいということはありません。しかし、汗は体内の老廃物を排出してくれる「デトックス効果」があります。
汗をたくさん出すことは、身体のエネルギー循環を活発にして血行を促進する作用もあります。そのため、冷え性の改善にも有効です。
頻繁に汗をかくことは、健康面ではメリットが大きいといえます。たっぷり汗をかいた後は手早く汗の始末をしないと、身体を冷やしてしまうことになるので注意しましょう。