最近では「畑の肉」としてヘルシー志向の人達に人気が高く、海外でも注目を浴びている大豆製品。
身近で、お手頃に手に入るものなので、ダイエットで取り入れるにはぴったりです。
では、大豆や大豆製品は、どのように用いればダイエットやそのほかのうれしい効果を得られるのでしょうか?
大豆ダイエットとは?
大豆ダイエットには色々な種類があり、すぐに思いつくだけでも下記のようなものが挙げられます。
・おからダイエット
・納豆ダイエット
・豆腐ダイエット
・豆乳ダイエット
・炒り大豆ダイエット
このなかでも、大豆の力をもっとも多く得ることを考えるなら、炒り大豆ダイエットを強くおすすめします。
炒り大豆ダイエットの方法
炒り大豆ダイエットは、食事だけでなく、おやつの代わりにもなる置き換え食ダイエットです。
イメージは、節分でまくあの豆です。ポリポリとした食感で、香ばしさもあり、普段から好んで食べる人も多いのでは?
炒り大豆は、油を使わずに乾煎りする方法や、アルミホイルに広げてオーブントースターで焼くという方法で簡単に作ることができます。
また出来合いのものでも100gで100円ほどなので、コストの面でもメリット大といえます。
ダイエットに効く、大豆の4つの成分
大豆ダイエットでは4つの成分が効果を発揮していて、それはイソフラボン・大豆ペプチド・サポニン・大豆オリゴ糖の4種類です。
では、それぞれにどのようなはたらきがあるのか、くわしく見ていきましょう。
美しく痩せられる!
大豆に含まれているイソフラボンは、体内に吸収されると、女性ホルモンであるエストロゲンとよく似たはたらきをし、同時にエストロゲンの分泌も促進します。
エストロゲンには骨の破壊を抑制して、カルシウムが骨に沈着するのを助ける作用があるので、ダイエットによる骨粗しょう症の予防に効果があります。
また血管の収縮を抑制して、血液の流れを良くすることで、脳の血流を改善して不安感やイライラを緩和します。
ダイエットに向いた体づくりをサポート
大豆ペプチド(=アミノ酸が数個~数十個連なったもの)は、タンパク質よりも分子量が小さく、吸収が速いのが特徴です。
大豆のアミノ酸スコア(体内に取り入れた時の食品のアミノ酸利用効率)は86と、動物性のタンパク質源に対しては14ほど数値が低いのですが、ふh脂質やコレステロールが肉類に比べて低く、かつ痩せやすい体を作るために必要なタンパク質*をしっかり摂ることができます。
苦みで体の内側をキレイに
大豆に含まれているサポニンは、乳化(=水と油を混ぜあわせる)作用があり、摂り過ぎた余分な脂肪を吸着して、体内に吸収される量を抑えます。
さらに吸収した糖質が中性脂肪に変換されるのを抑制して、体脂肪の増加を防ぎます。
また、サポニンの持つ血管の拡張作用によって、毛細血管が特に拡がり、細胞へのエネルギーの取り込みと消費が増えるので、基礎代謝の上昇や冷え性の改善につながり、ダイエットに向く体づくりに役立ちます。
腸内細菌も元気に!
大豆に含まれている糖質の中には、大豆オリゴ糖という大豆特有のオリゴ糖が含まれています。
オリゴ糖は食品中に含まれている糖が数個くっついたもの。
通常の糖質と違う構造になっており、胃液やすい液などの消化酵素の影響を受けにくく、腸内まで届きます。
そして、腸内細菌によって初めて分解・吸収され、自身の体ではなく腸内細菌のエネルギーとして使われます。
さらに、大豆オリゴ糖には「他のオリゴ糖よりも少量で腸内細菌を増やす効果が高い」という特徴もあります。
腸内細菌が活性は便通改善につながるので、ダイエットの大敵の便秘の解消に役立ちます。
大豆のダイエット以外への摂取メリットは?
大豆には体の免疫に重要なナチュラルキラー細胞を活性化して、ダイエット時に落ちやすくなる免疫力の低下を防ぐ効果があります。
また、体の老化を早めてしまう過酸化脂質は、肝機能を阻害してしまうのですが、肝機能の低下はダイエットだけでなく、日々を健康に過ごすための全身の代謝の低下にも関与します。
そこで抗酸化力の高い大豆を摂取することで、美しくてスリムというだけでなく、健康的な体も手に入れることができるのです。
大豆ダイエットで気をつけること
大豆ダイエットはとても簡単で、手軽に食事やおやつに取り入れることができます。
ただし、効果を求めすぎて一度にたくさん食べると、繊維質と大豆オリゴ糖の摂り過ぎで、便秘あるいは下痢症状が出て、お腹を痛めることがあります。
便秘も下痢もダイエットには大敵なので、摂る分量にはくれぐれも気をつけて下さい。
体づくりができたら、運動も始めよう!
大豆ダイエットは、これだけで大きく体重を減らしたり、劇的に体を締めたり、というものではなく、運動と組み合わせることでパワーを発揮するものです。
大豆ダイエットを続ければ、全身の代謝や血流を改善してエネルギーを消費しやすい体になり、簡単な運動でもこれまで以上に高い効果が得られます。
ぜひ上手に取り入れて、めぐりのいい痩せやすい体を手に入れましょう!
(この記事の監修:管理栄養士 岩月啓四郎)