サポニンは強い苦味とえぐ味をもつ物質で、主に大豆・高麗人参・お茶・ごぼうなどに含まれています。
コーヒーや抹茶の苦味も、サポニンによるもの。 また、水と油の両方に溶ける性質があり、天然の界面活性剤といわれています。
乳化剤として飲み物やケーキに使われるほか、水に混ぜて振ると泡立つことから、石鹸や洗剤としても重宝されてきました。
サポニンは、含まれる植物の種類により異なる効果がありますが、その多くは健康に役立つものとして利用されています。また、ダイエットを後押ししてくれるうれしい効果も期待できます。
サポニンの効果
■抗酸化作用
活性酸素によって体内の脂質やコレステロールが酸化されるのを防ぎ、血中の悪玉コレステロール(LDL)を低下させる効果があるとされています。酸化した脂質は過酸化脂質となり、動脈硬化などの原因になり得ます。(※1)
■血流改善
毛細血管を広げたり、血液の凝固を防いだりして血流をスムーズにし、血圧を下げてくれます。血流がスムーズになることで、冷え症や肩こりを予防する効果もあります。
■免疫力アップ
免疫機能をつかさどる細胞を活性化させ、インフルエンザや風邪などの感染症からカラダを守ります。
■肥満予防
腸で吸収したブドウ糖が脂肪酸と組み合わさるのを防ぎ、余分な脂肪がカラダにたまるのを抑制するとされています。また、大豆サポニンに含まれるアディポネクチンという物質には脂肪の燃焼を促す働きがあります。
サポニン摂取のポイント
サポニンを多く含む食材は高麗人参や大豆ですが、普段の食事にとり入れやすいのは、大豆・大豆製品ではないでしょうか。
大豆サポニンを1番多く含む食材は高野豆腐。大豆・生揚げ・がんもどき・油揚げ・おから・豆乳・ゆば・納豆などにも含まれていますが、特に摂取量の目安は定められていません。とはいっても、大豆製品のとり過ぎはカロリーオーバーや栄養の偏りをまねくので注意してくださいね。
大豆・大豆製品を上手にとり入れるなら、タンパク質摂取のバランスを動物性タンパク質:植物性タンパク質=1:1に近づけるのがベストです。
飲み物や大豆製品など、さまざまな食品に含まれているサポニン。ぜひダイエットに役立ててみてくださいね。
【参考】
(※1)中島洋子監修「栄養の教科書(改訂新版)」新星出版(2016年4月15日、146ページ)