ある研究機関が20代~40代の女性を対象に「夏の身体の不調・変化」に関する調査を行ったところ、「夏ヤセ」が約4割なのに対し、「夏太り」が約半数という結果が出たそうです。
どこでもエアコンがある環境で、汗をかくこともなく、「夏太り」に悩む人が増えているとか。
気温の高い夏は、体温維持のためのエネルギー消費が少なくなり、基礎代謝が低下します。食欲が落ちるのは、ある意味当然のこと。
むしろ、普通の食事をしていると、夏太りをしてしまうこともあるのです。
「夏やせ」を封印する現代の暮らし
高温多湿な日本の夏。そのような環境のなかで大量に汗をかくことが食欲低下を招き、それに伴う栄養不足によって、夏やせや夏バテといった状態になるとされてきました。
ところが、最近はどこにでもエアコンがあり、大量の汗をかくことが少なくなっています。
一方で、夏独特の解放感からか、ジュースやビールなどの冷たい飲み物や、アイスクリームをはじめとする冷たく甘いデザート、焼肉やうなぎといったスタミナ食などを摂取しがち。
このような高カロリーのものが続くと、カロリーオーバーになり、太ってしまいます。
これがいわゆる“夏太り”です。
清涼飲料水の飲みすぎに要注意!
スポーツドリンクをはじめ、糖分の含まれた「清涼飲料水」。熱中症対策のための水分補給としてよく飲まれていますが、これらに含まれる糖分は夏太りの大きな要因に。
しかも、糖分の多い飲み物は単純にカロリーオーバーとなるだけでなく、別の問題点もあるのです。
糖分の多く含まれた清涼飲料水を飲むと、一時的に体内に多くの糖分が入ることにより血糖値は上昇するものの、すぐにまた下がります。この血糖値の急激な低下が疲労を感じさせるのです。
この疲労を食べることで回復しようとすると、ますます太るという悪循環に陥ってしまいます。
栄養失調も夏太りの原因に
食欲がないからと、そうめんをはじめとする冷たい麺類ばかり食べるのもおすすめできません。
麺類は主に炭水化物ですが、野菜や肉が不足すると体内の栄養バランスが崩れてしまいます。摂取した炭水化物が体内で燃焼できず、疲労感はあるのに太ってしまうという「栄養失調太り」に陥ることも。
食べ物に含まれる栄養素は、単独で働くのではなく、いくつかの栄養素が関わり合ってはじめて働きます。
麺類に多く含まれる炭水化物は、ビタミンB1がないと身体の中でエネルギーにならないため、疲労を感じてしまうのです。
夏は暑くて火を使う調理もおっくうになるため、手間のかからない単品料理に陥ってしまいがち。夏太りを防ぐためには、栄養バランスのよい食事をすることが大切です。
例えばそうめんなら、野菜、豆腐、卵などをプラスすると、手間をかけずに栄養バランスがよくなります。
夏太りを防ぐには
暑さのために睡眠時間が少なくなったり、夏休みで食事時間が不規則になったりと、夏の生活習慣の乱れによって体脂肪が増えやすくなるということも、最近はわかりつつあります。
夏太りを防ぐには、規則正しい生活とバランスのよい食生活を心がけることが第一のようです。
文:編集部ライター Y.Y