歯を磨くことで間食を防ぐ「歯磨きダイエット」が話題になりましたが、最近では歯を磨かない人は太りやすい傾向があるといわれているそう。
オーラルケアとダイエットは、意外と深い関係にあるようです。
■口の中が汚いと太りやすくなる!?
歯を磨かないということは、口の中が汚い状態といえます。正しく歯磨きができていない場合も同じですね。
口腔ケアがおろそかになれば、当然、歯が弱くなってしまいます。虫歯などのダメージから食べものをよく噛まずに飲み込むようになり、本来は満たされるはずの食事量でも満足できなくなりがちです。こうして食べ過ぎることで糖質過多となり、太りやすくなるといわれています。
また、口腔内が不潔な人は、食べかすなどが舌苔(ぜったい)となって舌に蓄積されていきます。これが、味を感じる味蕾(みらい)の働きを妨げてしまい、濃い味のものを欲するようになるそうです。
塩分や糖分をとりすぎることで体の中に水がたまり、痩せにくい体質になってしまいます。
■歯周病のセルフチェックを!
口の中が不潔になると、歯周病にもなりやすいもの。とくに女性は、妊娠によって歯周病を引き起こすことがあるため、注意が必要です。
最近では歯周病と糖尿病の関係も注目されていて、歯周病患者のなかには糖尿病になりそうな「予備軍」が多いのだとか。歯周病がインスリンの働きを阻害することがあり、糖尿病を悪化させるともいわれています。
40歳から成人歯科検診を受け付ける自治体が多いように、この年代になると歯周病のリスクが高まるそう。次のような症状が複数見られる場合は、歯周病の疑いがあるかもしれません。
●歯周病のチェックポイント
・歯を磨くと血が出る
・歯茎がむずむずする
・歯茎が赤く腫れている
・食べものが歯につまりやすくなった
・朝起きると口の中がネバネバして口臭がする
■歯ブラシだけでは磨ききれないことも
毎日、食後に歯磨きをしている人でも、歯周病になることは珍しくありません。それは、正しく歯を磨けていないから。ちゃんとやっているつもりでも、磨き残しが意外と多いのだとか。
まず、歯ブラシだけでは歯垢を取り除くことは難しく、これがたまると歯石になってしまいます。歯間ブラシやフロスを使って、歯の隙間の歯垢もしっかり取り除きましょう。
すでに歯石ができてしまったら、自分で取り除くことは困難です。歯科医院でクリーニングをしてもらうこと。虫歯などの異常がなくても、3カ月に1度は受診するといいですね。
舌苔がたまった場合は歯ブラシで無理にとろうとせず、専用のブラシを使いましょう。舌苔は口腔内を清潔に保っていても舌の表面にうっすらつくものですから、神経質になりすぎないことも必要です。
口腔ケアをおこたると、口臭や虫歯だけでなく、ダイエットの妨げ、糖尿病などのリスクアップも考えられます。たかが歯磨きですが、されど歯磨き。改めて歯磨きについて見直してみてはいかがでしょうか。
※参考文献:Tarzan No.693「太る理由」36ページ~
なぜ「口が臭い」と、肥満しやすいのか?(鶴見大学歯学部・花田信弘)
(丸部りぃ)