「ダイエットといえば、低カロリーなもの!」と探せば必ず候補に挙がるキノコ類。
舞茸もそのなかのひとつで、食べ慣れていることから選ぶ人も多いでしょう。
そんな舞茸が、キノコのなかでもっともダイエットに向いていることを知っていましたか?
では、どのようなダイエット法なのか見ていきましょう
舞茸ダイエットとは
舞茸ダイエットは、置き換えるものでも、舞茸ばかり食べるようなつらいダイエットでもありません。
ダイエットのなかでは珍しい足すダイエットです。
1日に摂る食事のうち、どれか1食に舞茸を50〜100g摂るという簡単なもの。
舞茸ダイエットでダイエットに効くのは、キノコ類で舞茸にのみ含まれている特殊成分のMXフラクション、キノコ類に含まれていて安全性の高いキノコキトサン、糖質と脂質の燃焼効果を高めるビタミンB2とナイアシン、腸内環境を整える豊富な不溶性食物繊維です。
舞茸ダイエットに効く成分
舞茸に含まれている成分のなかで、特にダイエットにはたらきかけるのは先ほど挙げた5つですが、それぞれが具体的にどのような作用をもたらすのか紹介します。
MXフラクション
MXフラクションは、体内に取り込まれると溜め込まれている中性脂肪に作用して、分解を促進しエネルギーとして利用しやすくします。
また、血中の中性脂肪にも作用して、溜め込まれる前に内臓や筋肉で利用しやすいように分解を促進。
さらに腸内では、栄養を吸収するための絨毛をぜん動運動によって激しく動かし、脂肪の吸収を抑えるようにはたらくといわれています。
キノコキトサン
舞茸やそのほかのキノコにも含まれているキノコキトサン。
甲殻類の殻に含まれているのは動物性キトサンで、キノコキトサンはその仲間の植物性タイプと考えるとイメージしやすいでしょう。
キノコキトサンは、甲殻類のキトサンのように余分な脂質を吸着するのではなく、胃酸や水に溶けずに腸内で膨張して、小腸の栄養の吸収の入り口である微絨毛の表面を覆いつくします。
そして、脂質の吸収を抑え、そのまま体外へ排出することで脂質の吸収量を抑えます。
これが、舞茸を食前に摂取した場合のはたらき方です。
一方、脂質を多く含む食事の後でキノコキトサンを摂ると、動物性のキトサンのように小腸で吸収される前に包み込み、吸収できない形にして体外へ排出します。
また、サプリメントとしてキトサンを使うダイエットがありますが、動物性のキトサンはおもに甲殻類から取り出します。
その際に、甲殻類のアレルギー物質も同時に抽出され、動物性のキトサンを使うとアレルギー症状が出ることも。
しかし、キノコキトサンはアレルゲン性が弱く、食用のキノコを食べアレルギーを発生することはほとんど確認されていないため、安全性でもすぐれているといえるでしょう。
ナイアシン・ビタミンB2
舞茸は100g分で、十分すぎるほどのナイアシンというビタミンを含んでいます。
ナイアシンは、糖質・脂質・タンパク質の分解を促進する補酵素的な役割を持っています。
ナイアシンのはたらきは、全エネルギー生成量の60〜70%に関係しており、ダイエットではエネルギーの消費を高めるのがポイントのひとつ。
さらに舞茸には、ビタミンB2も多く含まれていて、糖質と脂質の燃焼に作用します。
つまり舞茸は、糖質と脂質という体の脂肪の原因となるものを燃焼し、消費するようにはたらくのです。
しかも舞茸は、このふたつのビタミンをキノコ類のなかでもトップクラスに含んでおり、よりダイエットに向いている食品とされています。
不溶性食物繊維
舞茸に含まれる豊富な不溶性食物繊維。
体内では胃酸で溶けずに、腸内で水分を含んで膨らむことで、便量を増やして腸内を刺激するだけでなく、腸のぜん動運動を促し便秘も改善します。
また、体内に溜まった有毒物質のダイオキシンや鉛、ヒ素を吸着して、体外に排出するはたらきが水溶性食物繊維より強いでしょう。
栄養の吸収と不要物の排泄で代謝がより上がり、ダイエット効果へとつながります。
舞茸ダイエットで気をつけたいこと
舞茸ダイエットは、食事に足すタイプのダイエット法ですが、食べれば食べるほど効果が出るというものではありません。
舞茸の摂りすぎは、不溶性食物繊維の過剰摂取になります。
不溶性食物繊維は、便量を増やして腸を刺激し、ぜん動運動を促しますが、量が多いと効果が強く出てしまい、下痢を引き起こす可能性が。
また、逆に便量が増えるスピードがぜん動運動よりも早く、まれに便秘になる人もいるそうです。
ですので、舞茸の量は100gを限度としましょう。
また、不溶性食物繊維が正しい効果を発揮するには水分が必要なため、必ず舞茸を摂る前後や摂るときには水分を準備することが大切です。
舞茸を活用してダイエットしよう
舞茸ダイエットは、おもに脂質へのはたらきかけが強いもの。
特に、舞茸にのみ含まれているMXフラクションによって、ほかのキノコ類を使うダイエットより強い効果を期待できるでしょう。
水分をしっかり摂ることに気をつけて、色んな食事に舞茸を使ってみてくださいね。
(この記事の監修:管理栄養士 岩月啓四郎)