尿失禁の女性患者へのケアとして、アメリカで開発されたケーゲル体操。
骨盤底筋体操とも呼ばれており、尿漏れや性器脱を防いだり、姿勢を整えて下腹部に脂肪をつきにくくするなど様々な効果があります。
ここでは、ケーゲル体操についてドクター監修の記事でご紹介します。
■ケーゲル体操とは?
ケーゲル体操は1940年代のアメリカ人医師のケーゲルによって開発された体操で、元々尿失禁の女性患者のケアを目的とされていました。
この体操を続けていた患者から性的な満足度が高まったという声が多数聞かれ、性感向上のエクササイズとしても注目されるようになりました。
■ケーゲル体操の効果
ケーゲル体操にはいくつかのプラス効果がありますが、代表的なものが「尿失禁、子宮脱、直腸脱、膣脱などの改善」「膣の筋肉を自分でコントロールできるようになることによるスムーズな出産」「膣圧向上による性的満足度の向上」などです。
またケーゲル体操により鍛えることができる骨盤底筋は背筋や腹筋、太ももの内転筋などとも繋がっており、姿勢が良くなったりウエスト周りの引き締めなどにも効果があると言われています。
出産経験者の多くは、出産時に受けた骨盤底筋のダメージによって多少なりとも尿漏れを経験していると言います。
また加齢によっても骨盤底筋は衰えやすく、笑ったりくしゃみや咳をした時や重いものを持った瞬間に尿が漏れてしまうケースが少なくありません。
このような多くの女性が秘かに悩むトラブルに、ケーゲル体操は有効なのです。
■ケーゲル体操の基本は膣を締める・ゆるめる
体操の基本的なやり方は『話題の膣トレとは?』をご覧ください。
ここでは5秒間ごとに膣を締める力を入れたり、抜いたりという方法を紹介していますが、上級編では膣を可能な限り長い時間締めて、ゆっくり10秒かけて息を吐きながら力をゆるめるといった方法もあります。
いずれも膣を締めたりゆるめたりすることで、膣はもちろん骨盤底筋を鍛えるという体操です。
この「締める」「ゆるめる」ことがポイントです。立った状態でも、椅子に腰かけたり仰向けの姿勢でも構いません。膣を締めつけたりゆるめたりすることで骨盤底筋をしっかりと鍛えることが重要なのです。
ケーゲル体操をしていて効果が出ているかの目安として、尿を自分でコントロールしやすくなったかを確かめる方法があります。
排尿時に尿を自分の意思で止めることができるかを時々試しながらトレーニングを続けていくと良いでしょう。
■ケーゲル体操は早めの開始がおすすめ
骨盤底筋のようなインナーマッスルは筋肉の動きが意識されにくいため、機能の衰えに気づきにくいもの。骨盤底筋の衰えは、20代の頃から始まっていると言われています。
衰えを自覚する前に、ケーゲル体操を始めてしなやかな骨盤底筋を維持しましょう。
(この記事の監修: なおえビューティークリニック 院長 / 喜田直江 先生)