基礎代謝を上げることによって、ダイエットや減量が可能になることは、一般にも知られていますが、基礎代謝を上げるためには、一体どのようなことをすればよいのでしょうか?
呼吸の仕方を意識するだけで、基礎代謝を上げることが可能だなんて、ご存じでしたか?
ヨガの呼吸法に学ぶ
有酸素運動と、それを行う際の呼吸の仕方には、さまざまなものがありますが、「息を鼻から吸って、鼻から吐く」というのが、ヨガの腹式呼吸法の基本です。
それでは、この呼吸法にどんな利点があるのか、考えていきたいと思います。
なぜ、口ではなく鼻で呼吸なのでしょう?
それは、鼻から空気を通すことによって、体内に入る空気の温度を上げられるからです。口呼吸では、冷たい空気が、そのままの温度で体内に入ってきてしまうため、身体を冷やす原因になるのです。また、鼻呼吸は、匂いが確認できるため、危険感知ができることも、メリットのひとつです。
呼吸による身体への影響
物理的な観点から考えると、深い呼吸をお腹に入れることによって、血液循環やホルモンの分泌、免疫の働きがよくなり、腹筋が鍛えられ、基礎代謝が上がります。
さらに、滞っていた血のめぐりがよくなり、肥満の原因となる冷え性を改善できるのです。
精神的な面から見ると、口で呼吸を行うよりも、空気の出入りのスピードがスローダウンするために、感情を落ち着かせる、という働きもあります。
きれいな空気を入れて、不要な空気をすべて外に出す
呼吸によって換気をしっかりと行えば、体内で停滞している老廃物を浄化し、免疫力を向上させることができます。“意識する呼吸”がとても大切なのです。
お腹から空気をすべて出し切って、今度は、お腹に新鮮な空気をたくさん取り入れていくイメージをしながら行います。
ヨガの世界では、こういったマインド(心や精神)が重要だといいます。深い呼吸は、身体をリラックスした状態へ導いてくれます。
これは、自分の意思ではコントロールが不可能な、自律神経のうちのひとつである、副交感神経に作用するためです。副交感神経は、身体がゆったりしたとき、主に食事中や睡眠時に強く働きます。
起床時、目が覚めたら布団の中でまず1回、毎回の食事中に3回、就寝前に1回、1日合計5回の深い深呼吸の習慣づけから、始めてみてはいかがでしょうか?
意識の大切さ
今回は、ヨガに着目しましたが、ヨガを始める時間がなくても、ちょっとした意識を変えていくだけで、基礎代謝は上げられます。
激しい運動ができない方も、諦めずに自分の呼吸や生活習慣を、見直してみませんか?
文:スワン真由美