女性にとっての「骨盤底筋」とは、あらゆる「女性らしさ」を下支えする特別な筋肉群。
エクササイズをするときも、ここを意識するとしないとでは効果に差が出るといいます。でも、骨盤底筋ってそもそもどこにあるの?
「骨盤ダイエット」や「膣トレ」なら、何となく効かせどころがイメージできるけれど、「骨盤底筋」と聞いてもいまいちピンとこない……そんな人に向けて、ここでは骨盤底筋を正しくイメージするコツと共に、簡単&効果的なエクササイズを厳選してご紹介。
ヨガインストラクターの土屋江理子先生に直伝いただきました。
ダイエットにも効果あり! 骨盤底筋群とは?
●骨盤(=尾骨、恥骨、両坐骨)をハンモック状に繋いでいるインナーマッスルのこと。子宮や膀胱、直腸などの大切な臓器を、正しい位置にキープする役割を果たしています。
●尿道や肛門、膣を締めたり開いたりします。おしっこを止める時に使う筋肉、と覚えておくのもいいでしょう。もし、おしっこがうまく止められなかったら、骨盤底筋の力が弱い=尿漏れを引き起こす可能性あり。
●骨盤底筋が衰えると、骨盤に歪みが生じ、ボディラインが崩壊。ひいては腰痛、肩こりといった全身トラブルの原因にも。
●女性ホルモンとも関係あり。バランスが崩れると、生理不順やPMSにも悪影響。
●ちなみにヨガの世界では、骨盤底筋が緩んでいる=エネルギーがダダ漏れ!の意。
呼吸、歩行、排泄から生殖まで人として生きるうえで大切な、あらゆることに関係している骨盤底筋群。
だからこそ、この部分を重点的に引き締めることさえできれば、ぽっこりお腹の解消やバスト&ヒップアップといったダイエット効果はもちろん、ホルモンバランスの調整までがおのずとできてしまうのです。
女性の場合、骨盤底筋は妊娠・出産を機に大きく損傷しますが、そうでなくても20代から衰え始めるといわれています。
何かひとつでも気になる症状がある人、全身のスタイルアップをかなえたい人は、今すぐエクササイズを取り入れてみましょう。
まずは基本姿勢&呼吸法からマスター!
Step1
床、または椅子に座り、坐骨(座った時に体幹を支える骨)でしっかり床を押します。この時、ブロックを使うと、坐骨が当たってわかりやすいです。
Step2
両坐骨を中心に寄せるような感覚で、力を入れます。ぐーっと体が引き上がり、背筋が伸びます。この時、息をゆっくりと吐き切ります。
Step3
お腹をリラックスさせ、深く息を吸います。骨盤底筋が緩んで、ブロックに当たるくらいまで下がります。同時に、第一肋骨(一番上の肋骨)を高く持ち上げます。床(骨盤底筋)と天井(第一肋骨)をできるだけ広げるように意識するのがポイントです。
肩こりにも効く!骨盤底筋を引き上げる「キャットアンドカウ」
Step1
四つ這いになります。手は肩の下、膝は股関節の下にくるようにします。
Step2
息を吸いながら、尾骨を天井に向けます。そこからゆっくりと骨盤→腰→胸→首→頭→目線へと、波のように動きを伝えます。
Step3
今度は息を吐きながら、尾骨を床に向けて、徐々に背骨の上の方へと動きを伝えます。最後はおへそを覗き込みながら、骨盤底筋を引き上げるようにします。この時、肩甲骨の広がりも意識しましょう。
産後の回復期にも!骨盤底筋を強化する「セツバンダアーサナ」
Step1
仰向けに寝て、足を腰幅に開きます。
Step2
尾骨の方からぐっと上げ、平行姿勢をキープしたまま、呼吸を5回。この時、足の親指の付け根に力を入れ、足の内側を意識します(ブロックを挟むと、力を入れる場所が意識しやすくなります)。
※ 慣れてきたら、足を組んだ状態で行うとより効果的!
キュッと締まった美尻を作る「シャラバーサナ」
Step1
うつ伏せになります。顔は下に向けたまま、片足ずつ上げます。
Step2
慣れてきたら、両足を一緒に上げます。
最後に、出産直後のママに向けてアドバイス。骨盤が広がり、再構築する力が働く今こそは、日々の心がけ次第で、体型が変えられる貴重なチャンスでもあります。
骨盤底筋が伸びきってしまう前に、なるべく早い時期からエクササイズを取り入れ、刺激を入れていきましょう。
産んだその日は、お尻の穴を締めるだけでもOK! 膝と踵を揃え、内転筋(太腿の内側の筋肉)を寄せながらお尻を締めるのがポイントです。
この記事の監修
土屋江理子/ヨガインストラクター
慶應義塾大学理工学部卒業。RYT200認定TT終了。IYCキレイになるヨガTT終了。Luna works マタニティヨガ・シニアヨガTT修了。トラウマアプローチヨガTT修了。ヨーガニケタン認定ヨガ教師