前回<<1日1500kcal、食事制限ダイエットの真実>>では、間違ったダイエット法について紹介しましたよね。
では、今回はダイエットを成功させる秘訣について、書いてみたいと思います。
私がおすすめしたいのは、食事のときの食べる順番です。
ご飯、味噌汁、肉料理などいろいろある中でも、まず「野菜から食べる」。これを徹底してみてください。
これは「ベジタブル・ファースト」とも言われ、最近よくいわれるダイエット法なので、みなさんもどこかで聞いたことがあると思います。
野菜の食物繊維がゲル化する
では、なぜ、野菜から食べるといいのか、その理論をご存じですか?
野菜に含まれている食物繊維は、胃腸の中で消化酵素によってゲル化します。ゲル化の「ゲル」というのはドイツ語です。英語だと「ジェル」ですね。ジェル、つまりゼリー状のドロドロとした状態になるわけです。
このドロドロがポイントなんです。
野菜を先に食べて、胃腸にドロドロにゲル化した野菜があると、そのあと胃の中に入ってくる炭水化物、たとえばパンやご飯、パスタ、うどんなどが、そのゲル化した野菜に包み込まれますよね。
そうすると、炭水化物の吸収が穏やかになり、血糖値が高くなるのを防ぎます。みなさん、このフレーズもどこかで目にしたり、耳にしたことがあると思います。
でも、この意味をきちんと理解しているでしょうか?
消化のしくみを理解して意識することが大事
なぜ、炭水化物の吸収が穏やかになり、血糖値が高くなるのを防ぐと、ダイエットになるのか。そこをしっかり理解することが大切です。
「野菜から食べるといい」と聞いても、その理論をきちんと理解していないと、やはり長続きしません。
すぐに忘れてしまって、野菜から食べなくなってしまいます。なぜ野菜から食べるといいのか、その理論をしっかり学んで、食事のときに意識することが大切です。
ここでは、平たくですが、説明しておきますね。もっと詳しく知りたい人は、この機会にぜひ専門書に当たってみてください。
血糖値が急激に上がると太りやすい!?
炭水化物は消化酵素によってブドウ糖に変わります。ブドウ糖は胃腸から血液へと吸収されます。このとき、血液中のブドウ糖の濃度が高くなるわけですね。これが、いわゆる血糖値が高い状態。食事をすると、誰でも血糖値が高くなります。
そうなるとインシュリンというホルモンが膵臓から分泌され、そのインシュリンが体中の組織にブドウ糖を届ける役割をします。そしてブドウ糖が分解されて、活動するためのエネルギーがつくられるわけです。
でも、このブドウ糖の吸収が急激だと、血液中のブドウ糖の濃度が一気に高くなってしまいます。
そうすると、インシュリンが大量に分泌されて、体中にたくさんのブドウ糖が行き過ぎてしまうわけです。そうなれば、エネルギーとして使われないあまったブドウ糖が出てきます。それが脂肪となって体内に蓄積されるのです。そして太ってしまう……。
ゲル化した食物繊維がブドウ糖の吸収を抑制
ところが、先に野菜を食べておくと、ゲル化した野菜の食物繊維が炭水化物のブドウ糖を包み込んで、血液への吸収を穏やかにします。吸収そのものを抑える働きもあります。
そうすると血液中のブドウ糖の濃度も高くならずにすみますよね。血糖値の急激な上昇も抑えられるし、インシュリンの分泌も少なくなります。そうなれば、ブドウ糖があまることもないので、余分な脂肪が作られるのも防げる。つまり太りにくくなるわけですね。
野菜から先に食べるメリット、理解していただけたでしょうか。
では、次回も効果的なダイエット方法についてご紹介しますので、カレンのコラムをぜひ読みに来てくださいね。
文:リズムアンバサダー 道端カレン