みなさん、こんにちは、道端カレンです。本日のコラムは、女性であれば(最近は男性でもそう?)、誰でも気になるダイエットのお話。
やはり無駄な脂肪はつけたくないし、スラリとしたボディが理想ですよね。モデルさんたちは、総じてみなさんスタイルが良いですけれど、それを維持し続けるのは、実は涙ぐましい努力があってこそなのです。
カロリー信仰の落とし穴
私が10代でモデルを始めたころは、今のように運動やエクササイズによって体重や体型をコントロールするという理論が、まだ認知されていなかったんですね。体重を増やさず、体型をスリムに保つには、食事制限をするしかありませんでした。つまり、カロリー制限ダイエットです。
私もやりましたよ。毎日サラダだけを食べたり、夜食べると太るからと8時以降は何も口にしなかったり。でも、そうした食事制限によるダイエットのほうが、かえって「太りやすい身体」を作ることになろうとは! 私もいろいろ勉強してわかってきました。
食べ物はガソリン、筋肉はエンジン
たとえば、人を車に例えるなら、食べ物はガソリン、筋肉がエンジンです。ガソリンである食べ物をきちんと体に入れることで、ガソリンが燃えてエンジンである筋肉が動くわけです。
一般的に30代くらいの女性の場合、そのガソリンに当たる食べ物からとるエネルギーは、1日2000kcalくらい必要だといわれています。それを食事制限のダイエットで、1500kcalに減らしたとしましょう。500kcal減ったわけですから、その分、痩せると思いますよね。
ところが、ここがカロリー制限ダイエットの落とし穴。今まで1日2000kcalで生活していた人が、1500kcalに摂取カロリーを減らすと、最初のうちはトントンと体重が落ちていきます。私も経験しましたから、よくわかります。
でも、身体のほうは、一時的に足りなくなったマイナス500kcalの分を、なんとか補おうとします。そして、筋肉に蓄えているグリコーゲンという糖質をブドウ糖に分解し、エネルギーをまかなおうとするわけです。
そのとき、筋肉に蓄えていたグリコーゲンを使うのですから、筋肉自体は機能が衰えます。筋力が痩せ衰え、その分、体重もダウンするわけです。
食事制限ダイエット、実は”省エネの身体”が痩せにくくする
けれど、トントンと落ちていた体重が、そのうちだんだんと落ちなくなってきます。
実は、人間の体は生命維持のために、入ってくるカロリーに応じて、エネルギーを使おうとする仕組みになっています。
つまり、1500kcalしかとらなくなると、体が自然と省エネモードになり、1500kcalしか燃焼しない身体になってしまいます。1日1500kcalのエネルギーで私の身体は十分ですよ、となるわけです。
そんなふうに身体が省エネモードになって、1日1500kcalで活動することに慣れてしまったら、1500kcalの食事制限を続けていても体重は減らなくなってきますよね。よくダイエットの停滞期といわれる現象ですが、それが順調に落ちていた体重がだんだん落ちなくなってくる原因なのです。
ダイエットのリバウンドの真実
本当に問題なのはそのあと。もう効果がないと思って、「ダイエットなんてやめよう」と思ったとしますよね。そして、また2000kcal分の食べ物をとるようになります。
そうすると、どうなるでしょうか。
リバウンドでは、脂肪を増やすといった形で体重が増える
すでに1500kcalで活動できるよう、身体が省エネモードになっていますから、500kcalの余剰分がすべて脂肪となって身体に蓄えられてしまうわけです。
これが、いわゆる体重のリバウンドといわれる現象です。食事制限による、カロリー制限のダイエットがリバウンドしやすいといわれているのには、こうした体のメカニズムが理由だったわけです。
この「体重のリバウンド」については、みなさんもよくご存じかと思いますけれど、リバウンドというのは、体重が単に元に戻ってしまうだけではありません。
筋肉量を減らしてしまい、その分、脂肪を増やすといった形で体重が増えるのですから、身体をつくっている中身自体が変わってしまうわけですね。
そこが問題なのです。
痩せるときに筋肉を衰えさせてしまい、リバウンドで脂肪を体につけてしまう。そうしたダイエットは、身体にとって逆効果であることは言うまでもありません。
では、健康的でかつ均整のとれた身体を手に入れるには、どうしたら良いのか。
次回は、健康的な身体を手にいれ、太りにくい身体になるための食事の摂り方という切り口で、「野菜から食べる」が大事なワケについて、お話ししますね。
次回もカレンのコラムを、ぜひ読みに来てください。
文:リズムアンバサダー 道端カレン
写真:大城士武