転職は新たな可能性への挑戦でもありますが、時にストレスが体調不良を引き起こすこともあります。
今回の相談者は30代の男性。転職をきっかけに鬱になり、やっと克服できたと思ったら、今度は急激に太ってしまいました。
どうしたら健康な身体を取り戻せるのでしょうか。専門家に聞いてみました。
30代男性からの相談:「メタボの改善方法について」
5年ほど前、転職した際に鬱になりました。食べることも眠ることもできず、身体はきついのに仕事は休めない生活が1年ほど続き、体重が急激に減りました。仕事に慣れると精神状態がよくなり、食欲も回復しましたが、今度はたくさん食べていないのに2年で15kg太り、特にお腹の出方がひどいです。腹筋をすべきか、それとも食事制限が有効でしょうか。メタボの改善方法を教えてください。(30代・男性)
鬱から来る筋力低下が招くメタボ。受診して現状把握を
鬱によって運動不足になると基礎代謝が低下し、太りやすくなることがあるようです。身体の状態を知るためにまずは病院で相談したほうがよいとの声がありました。
『精神的に安定されたことは喜ばしいことです。ただ、食欲が増して太ってしまったのは心配です。メタボとは、内臓脂肪型の肥満の状態にあり、高血圧、糖尿病、脂肪異常症のうち、2つ以上が合併している時に診断される、様々な病気のリスクがある状態をいいます。体重や腹囲の増加はメタボの可能性があります。 (看護師)』
『鬱状態になったのが35歳ころでしょうか。鬱になることで普段から運動もしたくなくなるため、筋力が低下し、基礎代謝も低下して、余計に太りやすい体型になったのかもしれません。一度医師に相談し、ご自身の身体の状態を把握する必要があるでしょう。(看護師)』
食事制限より食事療法を。腹筋より有酸素運動を
食事の量を減らすよりも、内容にこだわることがメタボ改善には必要です。運動も腹筋より有酸素運動が効果的です。
『腹筋と食事制限では、基本的にはどちらも大きく効果が出ることはないでしょう。食事療法なら腹筋よりも効果的と思われます。腹筋だけではなかなかカロリーは消費できないので効果的ではありません。(看護師)』
『腹筋ではなく、ウォーキングやヨガ、ストレッチなど有酸素運動と食事療法を併用すると効果は大きく違ってきます。今の生活に有酸素運動を取り込むだけでも違うので試してみましょう。(看護師)』
『メタボにならないためには、単純にお腹をへこませればよいということではなく、内臓脂肪を減少させる必要があります。基礎代謝を高めるために筋力トレーニングも必要ですが、それだけでは改善は難しいでしょう。脂肪を燃焼させるには30分以上の有酸素運動が効果的だといわれます。ウォーキングなど軽い運動から始めましょう。(看護師)』
『食事は、単純に食事の量や食事回数を減らすのではなく、糖分・脂肪・脂肪分の多いたんぱく質を控え、1日3食の規則正しい食事習慣、早食いやだらだら食いをしない、夜遅くに食べない、アルコールは控えるなど、食事内容や食事習慣の見直しが大切です。適切な運動と食事習慣でメタボの改善は期待できるでしょう。(看護師)』
鬱がメタボの原因になることもあるのですね。メタボの改善には健康的な食生活と30分以上の有酸素運動が効果的です。身体の状態を把握するため、まずは病院で相談してみましょう。