30代になると体重は変わらないのにお腹だけ出てきた、という人は少なくないようです。
今回の相談者もその一人。食事には人一倍気をつけてきたのに、30を過ぎて急にお腹だけ出てきてしまいました。これはメタボリックシンドロームなのでしょうか。
30代男性からの相談:「体重は変わらないのに出てくるお腹について」
20代の頃は体形も悪くなく、身体が重たいとも感じませんでしたが、30歳になって急にお腹が出始めました。20代の頃に痛風を発症したため、食事は規則正しく、3食しっかりと食べています。量が増えたのは確かですが、体重は変わらず、お腹だけ出てきたのが気になります。体重が増えていなければメタボリックではないのでしょうか。お腹だけが出ている場合は大丈夫ですか。(30代・男性)
メタボは内臓脂肪型の肥満。5つの基準で判断
内臓脂肪が増え、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まるのがメタボリックシンドロームです。メタボかどうかはお腹の出具合だけでなく、5つの基準で判断します。
『メタボリックシンドロームとは内臓脂肪型の肥満で、様々な病気を発症するリスクを持っている状態をいいます。単純に体重の重さではなく、内臓脂肪の量を見ます。目安の一つとして腹囲を測定します。また腹囲に加え、高血圧、糖尿病、脂肪異常症のうち、2つ以上合併しているとメタボと診断されます。改善されなければ、心筋梗塞や脳梗塞といった命にかかわる病気につながる可能性があります。(看護師)』
『メタボリックシンドロームの判断基準は体重や腹囲だけではありません。それだけでの判断はあまりあてにならないといわれるようになっています。身長が同じ170cmでも、筋肉体質の75kgと肥満体系の75kgでは、数字は同じでも体重の質は全く異なります。(看護師)』
『現在のメタボリックシンドロームには以下の5つの判断基準があります。
①ウエストサイズが男性であれば85センチ以上<br>
②中性脂肪150以上<br>
③HDLコレステロール値40未満 (②と③はどちらか片方でも)<br>
④血圧が上130以上、下85以上(どちらか片方でも)<br>
⑤空腹時血糖値が110以上 (看護師)』
加齢による基礎代謝低下も原因に。生活習慣の見直しを
年とともに基礎代謝が低下し、脂肪がつきやすい身体になっていきます。食生活や生活習慣を見直し、定期的に検査を受けて身体の状態を把握しておくことが大切です。
『30代になって体重が変わらずにお腹が出てきたのは、若い頃に蓄えた筋肉が衰えてきているのが原因と考えられます。年齢を重ねると、基礎代謝が低下し、食べている量は変わらなくても、脂肪がつきやすくなります。また体重が変わらなくても、筋肉よりも脂肪の比率が高くなります。つまり体重は同じでも、内蔵脂肪が増加している可能性があるのです。(看護師)』
『そのままにしていると、様々な病気に発展していく可能性があります。お腹周りが気になるようでしたら、食事や運動習慣を見直してみましょう。一度検査をし、医師の診察を受け、ご自身の身体の状態をしっかり把握することも大切です。(看護師)』
年とともに基礎代謝が低下し、脂肪がつきやすい身体になっていくのですね。若いころと同じ生活ではメタボは防げません。食生活や生活習慣の見直しが大切です。定期的に検査して、身体の状態を常に把握しておくようにしましょう。