ダイエットセラピスト、小林一行です。
前回の記事では、「意外なストレスの解消法」として、次の2つをご紹介しました。
●自分の中の「ストレス・苦しみ」の存在に気づく
●自分を徹底的に甘やかす
「自分を甘やかす」なんて、聞いたことないですよね?詳しいことは前回の記事を見ていただきたいのですが、なぜ「徹底的に甘やかす」ことが、ストレスの解消になるのでしょうか?
これは、なかなか理解できないと思います。
その理由は、こういうことなんです。
私たちはずっと、家庭でも、学校や職場でも、「自分に厳しくしなければならない」と教えられてきました。だから、「甘やかす」なんて悪いことだ、という思い込みがあります。
でも、これって、本当に悪いことなのでしょうか?
「徹底的に甘やかす」って、どういうこと?
「自分を甘やかす」とは、一体どういうことでしょうか?
『好き勝手に自分のやりたいことをやる』──自分を甘やかすとは、詰まるところ、これです。
寝たければ寝るし、食べたいときには食べる。つまらないことはやらないし、やりたいことは、とことんやる。
これって、そんなに悪いことでしょうか?自分のやりたいことに真っすぐな人間なのではないですか?
私見ですが、明治維新を動かした坂本龍馬などは、こういう人物の典型だと思います。おおよそ歴史を動かすような人や、成功している人って、こうした「自分はこれが好き!」に素直で、器の大きい人間なのではないでしょうか?
歴史上の大人物ではなくても、私たちの身近でイキイキと楽しそうにしている人って、「〜せねばならない」に縛られず、自分の「〜したい!」に素直になって、生きている人だと思います。
多くの人は、社会的な「いい人」でなければならないと考えます。
「いい社会人でなければならない」
「いい母親(父親)でなければならない」
「いい子供でなければならない」
「いい人でなければならない」
……などなど。そして、自分のやりたいこと・好きなことに、フィルターをかけてしまっています。
本当はもっと大きく飛躍したいのに、自らを小さな籠の中に閉じ込めてしまっているのです。真面目な人ほど、この「いい人」の籠から出られず、強固な壁をつくっています。これが、実はストレスのもとになっているのです!
なぜ、「徹底的に甘やかす」ことがストレス解消になるのか?
もちろん、「いい人でなければならない」は、人に迷惑をかけない程度に、必要なことではあります。
しかしながら、そのフィルターが強すぎると、どんどん自分が萎縮して、小さな世界に閉じこもって息苦しくなり、それが大きなストレスになってしまっているのです。
それなのに、そのフィルターに引っかかるようなことをすると、「自分はダメな人間だ」というレッテルを貼って、さらにストレスを増大させてしまいます。
「徹底的に甘やかす」とは、こうした自分を制限しているフィルターを、いったんすべて取り払ってしまうことなのです!
そうして、すべてのフィルターを取り払った「素のままの自分」を受け入れると、すごく気持ちがラクになって、スーッとストレスが消えていきます。
『そうか、私って、こう思っていたから、つらかったんだ』
そう思うと、それだけで気持ちが少しラクになります。これが「徹底的に自分を甘やかす」極意なのです!
「できなくてもいい」
「欠点も個性」
「やりたくなければ休んでもいい」
と、ダメな自分もそっくりそのまま認めて、受け入れてあげるのです。
これが、次のステップの「自分の居場所をつくる」ということにつながっていきます。
自分の居場所をつくる
さて、いきなり「自分の居場所をつくる」といわれても、「居場所って何?」って思いますよね?
居場所とは、心の中の帰る家のようなものです。心が安まる場所や時間。「心の拠りどころ」ともいえます。
「ここに戻れば安心」という気持ちになる時間・空間をつくるのです。それこそが、「自分の居場所」を感じる時間・空間になるのです。
なぜ「自分の居場所」が大切?
なぜ、これが大切なのでしょうか?子供の頃を例に挙げると、わかりやすいでしょう。子供、特に男の子などは、外で遊ぶのが大好きです。
昔の子供は、学校から帰るや、すぐにランドセルを放り出して、外に飛び出していったものです。
そして、日が暮れるのも忘れて外で遊び回って、泥んこで帰ってくる。でも、実は、こんなふうに外で遊び回れたのは、「帰る家」があったからです。
そりゃそうですよね?帰る家がなかったら、安心して外で遊べません。お腹をペコペコにすかして帰ってきたら、お母さんの「お帰り」という声と共に、あったかい晩ご飯ができている。
そうした「帰るところ」があるからこそ、子供は安心して、心ゆくまで外で遊べるのです。
それが、「帰る家」も、「お帰り」と言ってくれるお母さんも、あったかい晩ご飯もなかったら、子供は安心して外で遊べません。
「自分の居場所」が、ストレスを解放する
私たちの心も、これと同じなんです。私たちの心は、「安心できる場所」がないと、不安に包まれて、やる気を失い、そんな自分を責め続けて、そして、どんどんストレスを募らせてしまいます。そうならないために、自分が安心できる「居場所」をつくりましょう!
別の言い方をすると、「自分をリセットする時間」ともいえます。
一日5〜10分程度でいいので、「自分をリセットする時間」をつくってあげましょう。
いざ実践!ストレスを解放する「自分リセット法」
さて、いよいよ実践です。実践しないと、すぐに忘れてしまいます。毎日少しずつでもいいので、実践しましょう!
タイミングとしては、寝る前がいいと思います。
そのリセットタイムでは、まずは2〜3回、深呼吸して心を落ち着けます。そして、「今日もよくがんばったね」とか「お疲れさま、私」と、自分にそっと声をかけてあげましょう。
実際に声に出してもいいし、心の中だけでもかまいません。
また、空間を演出するのも、とっても効果があります。アロマの香りや、静かなヒーリング音楽などもいいでしょう。肩がこっていたら肩をマッサージするのもいいし、軽くストレッチするのもいいですね。思い思いに、自分が心地よくなれることをやりましょう。
特に何もしたくなければ、何もしなくてもいいのです。寝る直前にベッドに横になって、「今日もよくがんばったね」「お疲れさま、私」と、自分に語りかけてあげるだけでもいいのです。
そして、そっと目を閉じ、自分の息づかいや身体の感覚を感じて、ゆっくりリラックスしましょう。
そうすれば、そのままスーッと眠りに入ることができます。こう書いているだけで、私自身、眠くなってきてしまいました。
一日5分でもいいし、30分でも1時間でもいいです。
長くやれば効果が大きい、というわけではありません。だから、自分が無理なくやれる範囲で、やってみてください。
また、夜でなくてはいけないわけでもありません。朝起きたときにやるのもいいでしょう。実際、私は朝起きたときに、5〜10分くらいやっています。
イライラしたときや、自分を責め始めて、つらくなったときなども、この方法はとても効果があります。
その場でちょっと深呼吸してから、「イライラしているね」「つらいと思っているんだね」「苦しいんだね」と、今の自分のつらい感情を、しっかりと感じてあげます。
その上で、「その考えに縛られていても、楽しくないよね?」と、つらい自分を解放してあげましょう。
こうした「自分をリセットする時間」をつくることで、あなたも嫌なストレスを解消して、楽しくダイエットをしましょう。必ず成功しますよ!
では、次回をお楽しみに──。
文:小林一行