はじめまして。小林一行と申します。
私は現在、ダイエットアドバイザーとして、セミナーや講演、個人のダイエットコンサルティング、書籍の執筆などをしており、Rhythmでダイエットコラム『ボクの最後のダイエット』を書かせていただくことになりました。
本連載『ボクの最後のダイエット』では、筆者・小林一行が、”人生で最後のダイエット”に成功したときの自らの実体験をベースに、ダイエットに関するコツやお役立ち情報を、お伝えしていきたいと思っています。
本日は連載1回目、ぜひよろしくお願いします!
ダイエットは「つらく苦しい」もの?
さて、皆さんは「ダイエット」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
「つらそう〜!」
「できればいいけど、私は忍耐力がないからできない」
「食べる楽しみがないなんて、私には耐えられない」
などなど、「ダイエット」という言葉からは、「できたらすごくうれしいけど……」に続けて、「忍耐」「我慢」「空腹」といった、ネガティブなイメージが出てくるのではないでしょうか?
「ダイエット」とは本当に、苦しい修行のような忍耐を必要とすることなのでしょうか?
「ダイエット」の目的は、もちろん「痩せる」ことです。しかし、「痩せる」ために強烈な空腹感と戦ったり、ひたすら体力の限界にチャレンジするような運動が、絶対に必要なのでしょうか?
10回以上もダイエットに失敗し続けた私
冒頭でも書きましたが、私はダイエットのセミナーや講演、書籍の執筆などをさせていただいております。しかし、実はそんな私も、今から約8年前は身長167cm、体重83kg、腹囲87cmのメタボオヤジでした。
しかも、これまで10回以上もダイエットに失敗して、リバウンドを繰り返していました。
ヘビーな食事制限や、真夏の日中にセーターやウインドブレーカーを着て走り込むといった、苦しいダイエット法もたくさん経験しました。
一時的に10kg以上痩せて、一見、ダイエットに成功したかと思ったときもありました。しかし、半年もしないうちにリバウンドが始まり、1年後には元通り……ということを、何年も繰り返していました。
そして、心の奥底では「なに、その気になれば、いつでも痩せられるさ!」と、タカをくくっていた部分もありました。しかし、そこに落とし穴がありました。こんなことを何度も繰り返していくうちに、どんどん痩せにくい体になっていったのです。
40歳を過ぎた頃から、何もしないのに体重が少しずつ増えていき、その上、会社の仕事などから「うつ」になって、お菓子類の過食が止まらなくなり、体重83kgのメタボオヤジになったのです。
ちょうどそんなときに、会社の健康診断があり、当然のように「メタボリック判定」を受けました。
「意志の弱さじゃ、誰にも負けない私」が、ダイエットに成功!
私は「面倒くさがり」「不精者」「ガマンが嫌い」という、三拍子そろった人間です。意志の弱さでは、誰にも負けないという自信があります!
食べたいものがあれば食べるし、運動もあまり好きではないので、活発に行うこともありませんでした。
でも、こんな私でも、ダイエットに成功することができたのです。
メタボ判定から2年後…… 体重は約25kg減の58kgになり、腹囲も15cm減って72cmになりました。
この間、どんなことを行ったか? 何をやったか? 正直いって、特に苦労したという感じはしません。「気がついたら痩せていた」という印象さえあります。
もちろん、何もしていないわけではありませんが、大したことをしたという印象もありません。大したことではないからやれたし、大したことではないから続きました。
「ガマンしない、無理しない、でもやめない」これが私のダイエットのポリシーでした。
これなら誰でも痩せられる!
「こんなに意志の弱い私でも痩せられた」
だから、これを伝えさえすれば、誰でも痩せられる。これを伝えることが私の使命だ、と思いました。これが、いま私がダイエットアドバイザーとして活動している理由です。これを知れば、皆さんの誰もが、「私でも痩せられる!」と思えるでしょう!
もうダイエットで悩む必要はありません!
ここから先は、私が、人生で最後のダイエットに成功したときの話を紹介します。
「夜中のお菓子」が止まらない!
先にも触れましたが、実は最も太っていた9年前には、「うつ」と、それによる「過食」に悩んでいました。うつのために夜も眠れず、抗うつ剤と睡眠導入剤を飲んでいたのです。
睡眠導入剤を飲むと、頭を斧で叩き割られるかのような感じ(実際、痛みを感じるほど)で眠りに落ちるのですが、きっかり3時間経つと、目が覚めてしまいます。
その直後に、ものすごく甘い物が食べたいという欲望に襲われるのです。どうにも我慢できず、夜中の3時に24時間スーパーまで自転車を走らせて、一番大きな袋に入ったチョコレートを買って、それを30分で全部食べていました。
これを毎日続けていたのです。
これでは、太るのは当然です。私もそう思ったので、何度も止めようとしました。しかし、止められません。無理に我慢すると、かえってエスカレートしていきました。
「もう、このまま一生、ダイエットできないんだろうな」と、そう思っていました。
1冊の本との出会いで、何もせずに5kg減!
結局、どんどん太っていく自分を見て、「こんなにダメで、醜い自分は、生きている価値もない」と思ってしまい、いっそう「うつ」がひどくなっていた頃に、1冊の本に出会いました。
その本の中の1節……
「生まれてきたんだから、どうせなら、自分の好きなことをやろうよ!」
目からウロコが落ちたような感覚に襲われました。ここから、私の一生は変わり始めました。
「生まれてきたんだから、どうせなら、誰になんと言われようと、好きなことに制限をつけず、人生を精一杯楽しみたい」
本気で、そう思いました。そして、私は「好きなこと」として、趣味でラジコン飛行機を始めました。
それから約半年後…… 何もしていないのに、気がついたら5kg痩せていたのです! 何かダイエットをしたという記憶は、まったくありませんでした。
しかし、よく考えてみたら、いつの間にか、お菓子の過食がなくなっていました。うつだった頃には、何度も止めようとしたのに、結局、止められなかったお菓子の過食が、いつの間にか消えていたのです。
夜中はラジコン飛行機を作るのに夢中で、お菓子のことなど思い出す暇もなく、休日は真夏の炎天下でも、一日中、飛行機を飛ばしていたからだと思います。
そして、今まで職場と家庭だけだった人間関係に、ラジコン仲間という、好きなことを語り合える仲間ができました。
こんなふうに、「好きなこと」をやり始めたら生活が激変し、私の心の中も大きく変わっていました。気持ちが元気になり、「本格的にダイエットをしよう!」というモチベーションも生まれてきました。
それから本格的にダイエットを始め、結局、6カ月で14kg痩せて、その後の2年間で25kg痩せました。これは、あくまでも「気持ちを元気に」してから、ダイエットをしたおかげです。
ダイエット成功の真の秘訣は……
世間では、「○○日間で△△kg痩せられる、魔法のダイエット」といった類の、短期間で急激に体重を落とすダイエット法や、サプリメントなどが氾濫しています。
これらを行えば、本当に痩せられるのでしょうか?
仮に痩せたとしても、その後、リバウンドせずに維持し続けられるのでしょうか?
私には非常に疑問です。実際、こうしたダイエット法でダイエットに成功する人は、ごくわずかです。これらの「方法」や「物」だけでは、ダイエットはなかなか成功できません。
私は、自分の体験や、たくさんの人のダイエット相談を受けてきた経験から、ダイエットを成功させるキーポイントは「ラクにできる方法」ではなく、ダイエットに対する考え方を変えて、ダイエットを「楽しむ」ことだと思います。
ダイエットを、「つらくて苦しいもの」から、「明るくて楽しいもの」に変えるのです。
次回は、ダイエットを楽しいものに変える、具体的な方法をお伝えします。
お楽しみに!
文:小林一行