ストレスはダイエットの大敵ですが、けっしてストレスの全てが悪いというものではありません。
もちろん、ある時ときにはノンビリ、ゆっくりすることも必要ですが、それだけだとせっかく自分が持っている力を発揮することができません。
あなたが自分の持っている能力を一番良く発揮できるのは、実は、ほどほどのストレスを感じている時なんです。
でもストレスを感じすぎると、力を出すことができなくなりますし、心も体も疲弊してしまいます。
そして、身体が危機を察知し、守ろうとする作用の結果、筋肉が分解されたり血糖値が上がり、脂肪の蓄積で太ってしまうのです。
そこが難しいところです。
当サイトでは、そうしたストレスに上手に対処して太るのを防ぎ、ダイエットを成功させ、自分の力を十分に発揮しながら充実した毎日を送れるようになるためのヒントについて、解説しています。
それも、決して難しくないストレス対応ダイエット、日常生活の中ですぐに使えるヒントばかりです。
ストレスがあることを認めること
ストレスをダイエットに生かすためには、まずストレスに気づかなくてはなりません。
そして、そのストレスがダイエットにとって問題になっているかどうかを判断します。それを一次評価と言います。
次に、その状況の良くない面を少なくして、ダイエットが成功する方向に進むためにできることを考えていく、次評価の段階に進みます。
ストレスに対処するためには、まわりからの要求、つまり「自分がしなくてはならないこと」を少なくして、自分の能力つまり「自分にできること」を増やしていくことが必要になります。
自分の長所を信じながら流れに身をまかせ、具体的に太ってしまう問題に対処したり解決したりしていく、具体的な方法を詳しく解説していきます。
しかも、ご紹介するのは、心理的な対処法だけではありません。
食事や運動など、ダイエットのために日常生活の中に取り入れて使うことができる方法も紹介いたします。
ぜひそうしたダイエットのヒントを身につけて、充実した幸せな生活を送っていっていただけることを願っています(^_^)
ストレス対応ダイエットの効果には、筋肉の緊張がとれる、明確に物事が考えられるようになる、安眠できるようになる、といった、すぐに実感できるものもありますし、銀行の貯金のように蓄えられるものもあります。
デスクワークダイエットを実践すれば、病気にかかりにくくなり、幸せに満ち充実した人生をより長く生きられるようになる変化が起こせるはずです。
ストレスというのは、夜中に忍び込む泥棒のように、徐々にこっそりと忍び寄る危険なものです。
肥満の他にも、高血圧や慢性的な腰痛といった症状が現れてはじめて、ストレスが問題を引き起こしていることに気づくことも少なくありません。
だからこそ、今のうちにストレスをコントロールしておくことで、このような問題が予防できるのです。また、すでに肥満やメタボリックなどの医学的問題を抱えている場合には、ストレスのレベルを下げれば、病状の大幅な改善が望めます。
とはいえ、ストレス管理を行うべき理由はそれだけではありません。
不必要なストレスや緊張を心や体から一掃すれば、日々の生活の中に人生の意味と喜びを見出し、この地上に生を受けた幸運をありがたく思えるようになるのです。
この喜びを見つける旅に乗り出すあなたを喜んでお迎えしたく思っています。
どうか希望を抱いてデスクワークダイエットを読み進めてください。
あなたは、今よりもっとスリムに美しく、幸せになれます。
そして、今より一層穏やかで集中力に富み、愛情豊かで健康な人になれるはずです。
肥満や病気につながるストレスとは?!
交通渋滞、人間関係のあつれき、金銭面での心配、きつい仕事、健康面での問題といったものは全て、体や心や精神にプレッシャーを与えます。
もちろん、ストレスは活動からくることもありますが、実は驚くほど多くの場合、心配や後悔や不安、そしゃく(何かの考えを、頭の中で何度も「岨噛」すること)などの形をとって、頭の中から生まれてきます。そのため、本当の問題は、ストレス反応として生じる「緊張」のほうにあるのです。
ストレスの心身一体的な定義
ストレスとは、外部環境とのやりとりの過程で生じます。
だとすれば、ストレスの実質的な定義とは、ある人の人生における問題やプレッシャーが、その人が対処可能だと認知する(考える)範囲を超えたときに生じる状況を指すと言ってよいでしょう。ストレスは、肉体的、感情的、心理的、社会的な局面に関わってきます。
ホリスティック、心身一体的なものなのです。
つまりストレス反応とは、「自分は、ストレスに対処できる」というあなたの自覚が重要になってきます。
ストレスに対処すること、すなわちストレスコーピング・スキルは、だれでも向上させることができるダイエットテクニックです。
ストレスとコーピング(対処)
ストレスには色んな物事が関わっていますが、その最初のものは脅威です。
脅威は、運転中に突然動物が飛び出してきたというような、身を脅かす現実であることもありますし、思考であることもあります。
たとえば、重要な会議があることを忘れていて、思い出したときには、すでに開始時聞から二時間経っていた・・・という場合などが脅威の思考です。
人は、脅威を感じると、まずその深刻度を評価し、次に、それに対処する自分の能力を推し量ります。
具体的には、生じた状況と、それに対する自分の感情をコントロールできる余地がどれだけあるか・・・そして生じたこと(あるいは生じようとしていること) にうまく対処できる自信がどれだけあるか、ということを考えます。
先ほどの「始まってしまった会議の例」では、事態がどれだけ壊滅的なものであるかと感じる程度に応じて、さまざまな反応が考えられるでしょう。
部屋の中を歩き回って言い訳を考えはじめる、椅子に座って泣き出す。あるいは、会議に出席している人に電話をかけ、すでに話し合われたことを知るにはどうしたらよいかと訊ねる人もいるでしょう。
どのような反応にも、代償と結果がつきまといます。このようなときこそ、ストレス・コーピングが効きめを発揮します。
あなたがすべきことは、ストレスが襲ってきたときにそれを克服する賢い対処法が選べるように、スキルを磨き自信を付けておくことです。
あなた独自のコーピング・スタイルについて考察し、自分にとって有益なコーピング行動とそうでないものを見極めストレスに対するより良い反応のしかたを学んで練習します。
ストレスと認知
ここで、ストレスの定義に再び戻りましょう。
ある人の人生の問題やプレッシャーが、その人が対処できると認知した(考えた)範囲を超えたときに生じる状況が、ストレスである・・・という定義です。
ここで鍵となるのは「認知」という言葉です。あなたが脅威をどう捉えるかによってストレスに対する体、心、精神の反応が決まるからです。
例えば、動物が車の前に飛び出してきたような場合は、おそらく本能的に反応して、ひかないで済むような行動をとるでしょう。会議を忘れてしまった場合は、その事実にどのような意味を付与するかによって、状況にどう反応するかが決まります。
実のところ、あなたに起きることにどんな意味を与えるかは、完全にあなた次第なのです。
ふだんの暮らしでは、ストレスとは、その人に降りかかってきた物事自体を指すのではなく、自分に降りかかったと「感じたり考えたりした」物事を指します。
言い換えれば、あなたは、自分の人生に生じるストレスの量をコントロールすることができるのです。
これでダイエットも成功します。
では、いったいどうすれば、それが可能になるのでしょうか?
⇒自分のまわりで起きていることに対する考え方を変える
⇒自分のまわりで起きていることに対する反応のしかたを変える
⇒安全で居心地のよい状況にいるときでも心をむしばむ、怖くて、心配で、不安な考えを、自らコントロールする
⇒ストレスをきたすような状況に陥らないようにする
⇒心が穏やかになるようなことを進んで行う
これらを成し遂げる方法を学ぶことこそ、デスクワーク ダイエットの本質です。
急性ストレスと慢性ストレス
ダイエットに悪いストレスを大きく分けると、急性のものと慢性のものがあります。
急性(一過性)ストレスはあなたにとって役立ちますが、慢性(長引く) ストレスはあまり役に立たず、場合によっては肥満や成人病などの悪い影響さえもたらします。
「急性ストレス反応」つまり、大きなストレスを生じさせる物事に対する瞬時の自動的な反応は、すべての哺乳類に共通する反応です。
これは生存のメカニズムで、あらゆる体のシステムは、「危険だ!逃げろ!」というメッセージに対して、ほぼ瞬時に変化を起こします。
脅威を察知するやいなや、脳は信号を送りはじめ、リラックスした状態を覚醒した状態に変えるホルモンを分泌します。心拍数と血圧も上がり、血液は、皮膚や消化器官から、脳と体内の大きな筋肉に回されます。
こういった変化が起こるからこそ、逃げるべきか否かの判断を瞬時に下し、逃げるための脚力を得ることができるのです。
急性ストレス反応は、副腎と交換神経系から引き起こされます。副腎は「アドレナリン」と「コルチゾール」というストレス・ホルモンを分泌し、交感神経系は、体中の神経終末に信号を送り、静止状態から警戒状態へ瞬時に変化させます。
このコルチゾールが、ダイエットに悪いストレスホルモンです。
交感神経系が刺激されてから静止状態に戻るには、数分間しかかかりません。しかし、ひとたび交感神経系が起動されると、副腎も刺激を受けて、コルチゾールを分泌します。
コルチゾールは、ストレスが生じたあと、何時間にもわたって、体内にとどまり続けます。もし日々が小さな警戒反応に満ちていると、交感神経系が頻繁に活性化されるため、コルチゾールが高濃度で血中に留まり続けて、慢性ストレスの生理的状態が作られてしまいます。
こうして悪循環が生じるのです。慢性的に高い血中コルチゾール濃度により、交感神経系は、大小さまざまなストレス要因に一層反応しやすくなります。
心身が慢性的なストレスにさらされると、小さなストレス要因でさえ、大きな急性ストレス反応を引き起こし、悪循環が止まらなくなります。つまり、交感神経系が活性化されるたびに血圧と心拍数がはじめに上がり、脳と大きな筋肉への血流量も増して、身の回りで生じていることをはっきり理性的に考える能力が低下するのです。
しばらくすると、このような変化は、健康と心の平静さを乱しはじめ、肥満やメタボリックが加速されます。
急性ストレスは、脳内にも重要な変化を引き起こします。
脳の内部にある、本能的情動へんとうたいに関わる部位である、非常に原始的な「一崩桃体」の働きが、より活発になるのです。
この部位の活性化は、さまざまな選択肢を考癒することなく、瞬時に、生き残りだけを考えた決定を下すのを助けます。
一方、それにともなって、思考、評価、分析を行う「前頭前皮質」の活動は低下します。
理想的な世界の話なら、ひとたび脅威がすぎ去れば、あらゆるシステムは正常に戻り、ほっと一息つけることになるでしょう。けれども、大きな脳と豊かな想像力を獲得した私たち人間にとっては、そうはいきません。
起きたかもしれない恐ろしいこと、友達に見下されかねなかったこと、膨大なコストがかかったかもしれないことなどを考え続けることにより、脅威は残存し続け、慢性的にストレスにさらされてしまいます。
そして手の打ちようのない破滅的な状況のイメージが浮かんでくるのです。
こういったイメージを、あなたの体は現実の出来事として解釈してしまいます。
そのため、脅威に対する考えにとらわれると、体もストレス反応にとらわれてしまうのです。
慢性ストレスが体にもたらす影響は、急性ストレス反応が薄まったものだと考えると、わかりやすいかもしれません。慢性ストレスをこうむっている人は「心血管反応性」が充進する傾向があります。
つまり、ささいな問題に対しても、心拍数が上がり、息切れがします。興奮が鎮まるにも、異常に思えるほど時間がかかるかもしれません。
慢性ストレスの身体症状には、顔のこわばり、肩こり、腰痛、肥満などがあります。
慢性ストレスは、情緒にも影響を与えます。また、悲しみや無気力、過食という形で現れることもあります。
慢性ストレスは、体と心の全体にかかわる問題で、人生のあらゆる面に影響をおよぼすのです・・・