別ページの『太ってしまった原因』の中で
・糖分の摂りすぎ
・筋肉量が少ない
・成長ホルモンが少ない
というお話をいたしました。
つまり、それを補える食事に改善していけば、ダイエットは成功するということです。
現代人は忙しいです。ついつい手軽な炭水化物が多くなります。
そして、現代人はストレスが多いです。
ストレスが多くなると、人間の体は糖分(炭水化物)を求めます。パン、白いお米、麺類、砂糖たっぷりのスイーツ、ジュース、調味料を欲します。
これは、エネルギーを確保し生命を守るための本能的な症状です。
だから、実はストレスを受けるとコルチゾールというストレスホルモンが産生され、筋肉を分解して糖に変えてしまう、ダイエットにとっては恐ろしい作用まであります。また、ストレスホルモンは成長ホルモンを抑制してしまうという厄介な特性まであります。
さて、現代日本人が糖分(炭水化物)の摂りすぎになってしまう原因は、食文化にもあります。
戦後の日本は食糧難や保存方法の問題から、たんぱく質よりも炭水化物(糖分)がメインの食事になってきました。
もちろん、日本人と欧米人の文化や体質には若干の違いもあるわけですが、それを加味しても、やっぱり現代の日本人は糖分を摂りすぎているのです。
「でも日本人は大昔から米を食べてるじゃん」
と思いますよね。
でも、今と昔のお米って全然違うんです。
野菜や果物もそうですが、とにかく甘味が強くて美味しくなるように、糖度を上げる品種改良が続けられてきました。
そして、白米と玄米では全然違います。
玄米は、ビタミン、ミネラル、食物繊維、酵素など、素晴らしい栄養素が豊富です。実は小麦もそうですが、生成されていない穀物って意外とタンパク質も入っています。
だから『玄米プロテイン』なんて商品もあるくらいです。(プロテインは直訳でタンパク質です)
玄米と白米では、ダイエットに大きな違いが生まれます。
さて、玄米などの食材や食べ方などについては、また後ほど詳しく解説するとして、まずはあなたに絶対に忘れてほしくないことをお話いたします。
これからたくさんの解説をしていきますが、多すぎて覚えきれないかもしれません。眠くなるかもしれません。
でも、たった一つ! これだけ絶対に忘れなければ大丈夫です。
それは、『栄養素の割合』です。
その割合とは
タンパク質【2】:炭水化物(糖分)【1】:野菜【1】
です。
「え~そんなにタンパク質が必要なの?!」
と思われますよね。
そうなんです。本当は『1:1:1』で良いんです。
良いんですが、それを意識しても初心者の方は実際に『1:1:1』にできないのです。
やっているつもりが出来ていないのです。
タンパク質をしっかり摂ることは、意外と難しいものなんです。
例えば、下の図を見てください。
ある食事のメニューでこんなのがあったとします。
①トンカツ100g
②ご飯100g
③ポテトサラダ50g、野菜サラダ50g
この食事、先ほどの栄養素の割合で言うと、『何:何:何』だと思いますか?
「え~と、トンカツはタンパク質だし、ご飯は炭水化物だし、ポテトサラダと野菜サラダは普通に野菜だよね? だから当然、1:1:1だよね・・・」
普通はそう思いますよね。でも違うんです。
正解は、
タンパク質【0.5】:炭水化物(糖分)【2】:野菜【0.5】
になってしまっています。
(※厳密に言えばもっと細かく分けられますが、ここではわかりやすくするために大まかに分けます)
まずトンカツですが、実際にスーパーやコンビニで既製品を買ったりご自宅で作る場合もそうですが、お肉はそんなに分厚くなく脂肪も交じります。衣も厚いです。
例えば、高級店で分厚いロース肉で特別に作ったトンカツは別ですが、普通に作ると、お肉のタンパク質の割合って半分くらいしかないのです。
もう半分くらいは、小麦粉とパン粉の炭水化物と油(脂)なんです。
そしてポテトサラダ・・
実は、ジャガイモやサツマイモはデンプンがとても多く、糖の吸収が多くなる食材なんです。
他には、カボチャやニンジン、玉ねぎも炭水化物(糖分)が多い野菜なんです。
つまりそれらは、野菜にカウントしないで、炭水化物(糖分)にカウントしないといけないのです。
ということで、もしトンカツを食べる場合は、ご飯を半分(もしくはゼロ)にして、その代わりにお豆腐(タンパク質が多い)を食べると良いです。冷やっこでも良いし湯豆腐でも良いです。
他の指導者は「トンカツや唐揚げなんて食べるな」と言いますが、私はOKだと思っています。
大事なのはバランスです。
タンパク質【2】:炭水化物(糖分)【1】:野菜【1】
が意識できていれば大丈夫です。
動物性脂肪やコレステロールも、摂りすぎなければ心配ありません。むしろ必要なんです。
炭水化物も必要なんです。
「炭水化物(糖分)、脂分をゼロにしろ」なんて指導者がいますが、これは間違いです。
■炭水化物(糖分)はゼロにしないこと
まず炭水化物ですが、タンパク質を細胞に運ぶために必要なんです。
タンパク質だけでは筋肉は作れません。
ビタミンもミネラルもコレステロールも原料として必要です。酵素も必要です。
炭水化物を摂ると、インスリンという成分が分泌されます。これは糖やタンパク質を細胞に運ぶために必要なものなんですね。これがないと筋肉は成長できません。
余談ですが、糖尿病の患者さんはインスリン注射を打ちますよね。
これは、患者さんのインスリン量が足りず、血液中の糖分を細胞に上手く運べないので、血液中に余ってしまい高血糖になってしまうのです。
別の言い方をすると、糖が細胞に上手く運ばれないわけですので、太る要素も減るわけです。「やせ型の人に糖尿病が多い」とよく言われるのが分かります。
「じゃ~私もそのほうが良いじゃん」
と思うかも知れませんが、今度は糖が足りず、脳・心臓・胃・腸などのエネルギーが足りずに機能不全になってしまいます。
また、肉体はストレスを感じストレスホルモンを産生し、結局は大事な筋肉を分解して糖に変えてしまいます。
まずはタンパク質をたっぷり摂って、それを運んでくれるインスリンを分泌させるために炭水化物も少し摂って、筋肉を充実させることです。
筋肉が充実すれば、代謝量全体も上がりますし、運動と合わせて成長ホルモンが増えますから、それによって脂肪が消費されるのです。