体重が増え、病院の肥満外来に興味を持っている男性からの相談です。具体的にどのような治療が行われるのでしょうか。
40代男性からの相談:「肥満外来ではどんなことをするのか」
40代になってから脂肪がたまりやすくなったようで、運動不足もあってか一気に体重が増えました。この間テレビを見ていたら肥満外来を設置した病院が紹介されていました。ちらっと見ただけで詳しいことはわからなかったのですが、肥満外来ではどのようなことをするのでしょうか。
体調の管理をしながら医学的なダイエットサポート
肥満外来における治療というのは、ただ痩せさせるというだけではなく、全身状態のチェックと管理もしながら、ひとりひとりに合ったプランを立てて医学的に肥満を解消するサポートをしてくれるということのようです。
『肥満は、様々な病気の元になるといわれています。そのため、医学的にダイエットをサポートすることで肥満を解消させ、将来病気になる原因を絶つ、というのが肥満外来の目的です。(看護師)』
『肥満外来は総合病院では入院して体重管理をする所もありますが、クリニックで外来通院しながら行う所もあります。(看護師)』
『まずはじめに問診で身長と体重を図り、運動などでダイエットができる身体であるかを採血や診察、胸部のレントゲン、心電図で調べます。その結果採血や心電図で糖尿病などがわかれば、まずはそちらの治療が優先になりますし、体重が多く、コレステロールが高いために血圧が高く、血がドロドロとしていて血栓ができるような方で、心臓に負担がかかる動作ができない場合はその治療から始めます。(看護師)』
『内容は、問診やさまざまな検査により、肥満の程度や生活習慣で改善すべき部分を医師が分析、その人にあったダイエットプランを提案し、必要時は食欲を抑えるといわれている薬などの処方も行います。そのため「肥満外来に行ったから痩せる」というものではなく、あくまで患者さんの痩せたいという気持ちが一番大切となります。(看護師)』
一般には保険適用なし、よく調べて自分に合った病院を
病気の治療ではないため、特殊な高度肥満のケースを除き、保健適用にならないケースがほとんど。自己負担の場合、一定の基準は存在しておらず、費用も手法も病院によって違います。調査と相談を重ね、自分に合ったところを見つけましょう。
『肥満外来は、病気を治療することを目的としておらず、あくまで将来の病気を予防するための治療となるため、保険適用はなく、全額自己負担となります。しかし、BMI=体重kg÷(身長m×身長m)と呼ばれる肥満をあらわす数値が35を超える高度肥満と診断されたり、すでに身体に肥満による影響が出てしまっている場合は一部保険適用される場合もあります。(看護師)』
『内服やホルモン注射など、場合によっては長期間、定期的に通院することもあります。費用もかかりますから、まずカウンセリングを受けてから検討されるのが良いと思います。(看護師)』
『それぞれ病院やクリニックによっても違いはあるので、調べて自分に合った病院で早めに対応することが大切です。(看護師)』
肥満は将来の病気に直結する深刻な状態。肥満外来にかかるにしてもかからないにしても、結局大切なのは本人の決意。将来の健康のために、受診も含め、今こそ必要な行動をとるべき時かもしれません。