今までCIRCLでも様々なダイエット方法を紹介してきたが、とりわけ反響が大きいのは「寝るだけダイエット」だ。何しろ、寝るだけで痩せられるのだから、そんな楽な話はない。
しかし、寝れば寝るほど痩せるかというと、そうでもないという。では、何時間寝ればよいのだろうか、今回は、なぜ睡眠とダイエットに深い関わりがあるのかを説明した上で、最適な睡眠時間について説明していきたい。
寝不足でも寝すぎでも太る
睡眠時間が短い方が起きて活動している時間が長いので、それだけカロリーを消費して太りにくいと思うかもしれないが、実際はそうではない。睡眠時間は長すぎても短すぎても肥満の傾向が高いという研究がある。
寝不足と肥満に関連があることは知られている。普段は睡眠が十分な健康な人が二日間だけ寝不足(4時間睡眠)になっただけで、食欲を減らすホルモン「レプチン」が減少し、食欲を増やすホルモン「グレリン」が増えて肥満になりやすい体になってしまうという。
逆に、すでに多くの疫学調査から明らかになっていることとして、寝不足でも寝過ぎでも太るのだという。
参考:CIRCL「睡眠でダイエット? 寝不足は人間を太らせる」
就寝時間が遅くなるにつれ肥満に
アメリカで行われた研究では、1994年~2009年までにのべ3,342人の若者の健康調査の一部のデータを分析した。
被験者は思春期・学生時代・青年期の3つの時期において、平日と週末の就寝時間を報告しており、研究者らはそれぞれの時期での被験者の肥満度を示す体格指数(BMI)を計算した。
BMIとは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値であり、成人では22が標準。同じ身長で比べると、BMIが2高い場合、体重は5~7kg大きいことになる。その結果、被験者の就寝時間が一時間遅くなるごとにBMIが2.1ずつ増加する可能性を発見したという。
参考:CIRCL「就寝時間差1時間=体重5〜7Kgの差!? 睡眠は超楽チンなダイエット」
ダイエットに一番効果的な睡眠時間は何時間?
では、何時間寝るのが最適なのだろうか?
アメリカで、30~60歳の1400人を調査した結果によると、睡眠時間7.7時間の人が最も肥満度が低く、それよりも長い人も短い人も肥満度が高くなっている。特に、6時間になると肥満度が最も高くなる。
睡眠時間8時間の人と5時間の人を比べると、5時間の人はレプチンが約15%少なく、グレリンの方は逆に約15%多いという結果だった。
睡眠時間が短い人は、食欲の抑制がきかず、食欲が高まっている状態であることがうかがえる。そして普段は十分な睡眠をとっている人でも睡眠不足になれば、やはりレプチンが少なくなりグレリンが増える。
参考:CIRCL「「寝る」は簡単かつ効果的なダイエット でもそれって何で!?」
なかなかダイエットが成功しない…そんな悩みをお持ちの方がいたら、もしかするとそれは睡眠で解決できるかもしれない。今日から7.7時間しっかりと睡眠をとる生活をしてみてはどうだろう。