生理周期体重コントロール の関係を知っていますか?
美味しく食べながらも、日常的にダイエットを心がけている人はたくさんいますよね。じつは女性がこうしたダイエットを効果的に行うには、生理周期との関係を知っておくことは重要なことなのです。ご紹介しましょう。
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生理周期と体重コントロール :自分の生理周期を知る
生理周期とは、生理の始まった日から次の生理が始まる前日までの間をいいます。その長さは人によってさまざまですが、概ね25日~38日です。
生理周期は、卵巣から分泌される女性ホルモン、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」によって成立し、基礎体温を付けてみると、排卵日を境にエストロゲンが分泌される低温期、プロゲステロンが分泌される高温期とにわかれます。
この周期の変化は、身体だけでなく精神的にも変化を起こします。
生理周期と体重コントロール :2つのホルモン
月経が終わって卵胞期に入ると、子宮内膜を厚くするエストロゲンが多く分泌されます。
新陳代謝が活発になり、心身共に体調がよくなり、集中力もアップするので、ダイエットを始めるのに最適な時期です。生理が終わる頃から始めていいでしょう。
一方、排卵後、受精卵が子宮内膜に着床しやすいように整えるプロゲステロンが分泌されている時期(黄体期)は、いわば身体が妊娠に備えているときなので、身体は水分や脂肪を蓄えようとします。
特にPMS(月経前症候群)のある人は、むくみが出て身体が冷えたり、代謝や血行が悪くなったり、便秘がちとなって、下腹部の張りや体重増加が見られることも。
また、精神的には抑うつ、不安、情緒不安定、などの症状が出る場合もあります。眠気が襲ってぼーっとしたり、イライラして集中力も落ちてしまいますので、このような時期は、ダイエットの効果が出にくいでしょう。
症状は他にもあり、人によってかなり差があります。PMS(月経前症候群)が起こる時期は、生理前の約2週間ほどです。
この時期は、血糖値を下げるホルモンのインスリンの効果が下がって、血糖値が上がるため、より多くのインスリンを必要とします。
そのため、身体は低血糖を生じやすくなり、食欲が増したり、甘いものが欲しくなるなどの状態になります。
生理周期と体重コントロール :まずは「基礎体温」で生理周期を把握
体重を管理するためにも、朝起床する前に基礎体温をつけるのを習慣にするのがオススメです。
最近は、計測と同時に毎朝のデータを記録してくれる婦人体温計なども販売されていますので、少なくとも1年ほど「計測」を根気よく続ければ、自分の身体のリズムが把握できます。
またダイエットを考えるのであれば、このとき、一緒に自分の体重を記録しておくといいですね。毎月の記録が溜まれば、どの時期に体重が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかおのずと知ることができます。
また黄体ホルモンには体に水分を蓄える作用があるので、黄体期は卵胞期に比較して、約1-2kg、体重が増えるのが普通です。
生理周期と体重コントロール :黄体期の食生活に気をつけよう!
自分の生理周期把握したら、とくにこの「黄体期」は、意識的に栄養素のバランスが取れた和食を中心にとるように心がけるといいでしょう。
一汁一菜が基本の和食メニューには、温かい味噌汁スープ類が必ず入りますので、満腹感も得られます。
おかずは鶏のささみやむね肉、青魚や野菜、海藻類などで、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維を多く摂取しましょう。もちろん、秋の味覚を取り入れるのもいいですね。
ダイエットを意識するあまり、この時期に食事を減らすのは逆効果。
3食をきちんととることで、間食も抑えられます。そのためにも、夜更かしはやめて規則正しい生活を心がけ、夕食時間も寝る2時間前までにはとるようにしましょう。
(取材協力:バイエル薬品株式会社)
■執筆:南部 洋子(看護師、助産師、タッチケア公認講師)
監修者プロフィール:太田郁子先生
太田郁子先生・倉敷平成病院婦人科医長
倉敷平成病院婦人科医長
医学博士
日本子宮内膜症啓発会議実行委員