■便秘で気分もトーンダウン気味に
女性の悩みのワースト5に入るともされる便秘。20代から30代の便秘に悩む女性500名を対象に、武田薬品工業が行った調査によると、中でも女性特有の生理前の便秘への悩みが明らかになっています。
便秘による悩みは、肌荒れやポッコリお腹と外見上のことから、「旅行に行く時も不安がつきまとう」(51%)、「仕事に集中できない」(34%)、「食事会に気が乗らない」(28%)など、気分も沈みがちになるものです。
中には、「便秘でおなかがぽっこり出てデート用に買ったショートパンツがはけなかった」(新潟県・29歳)、「便秘でトイレにこもっていたら、バスに乗り遅れた」(広島県・26歳)など、苦い思いや失敗談のある人もいるそう。女性なら経験あるかもしれませんね。
■生理前の便秘の原因は女性ホルモン
上記の調査では、便秘に悩む女性のうち、6 割以上が、生理前に便秘になることがあるとわかっています。婦人科クリニック『アヴェニューウィメンズクリニック』の福山千代子院長は、生理前の便秘のメカニズムについて、
「女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)には、大腸の蠕動運動を低下させる作用があり、生理前は女性ホルモンの影響で、便秘になりやすいことがわかっています。便が腸内に長く停滞することになり、便に含まれる水分量が減って硬くなったり、排便されにくくなったりして、便秘になってしまうのです」と話します。
プロゲステロンは、排卵から生理開始前にかけて分泌量が増える女性ホルモンで、妊娠を維持するために、受精卵が着床しやすいよう子宮内膜を厚くしたり、妊娠に向けて最適な子宮環境に整えたりする働きがあります。
加えて、妊娠に備え、水分や栄養分を体内に蓄える作用もあることから、腸内の水分が体内に吸収され、便がカチカチになり出にくくなるのだそうです。
■ 生理前の便秘の予防法
(1)腹筋を鍛える
女性は、腹筋が弱いことも便秘の一因。日頃から腹筋運動をして鍛えましょう。ウォーキングなどの全身運動も大腸の働きを活発にします。
(2)食物繊維を摂る
食生活では、野菜など食物繊維の豊富なものを積極的に摂るのがおすすめ。食物繊維は、人間の消化酵素では消化されない成分で、胃で溶けずに大腸まで届くので、便のカサを増し、大腸を刺激することになります。
(3)硬水を飲む
マグネシウムが多めのミネラルウォーター(硬水)は、便の水分量を増やし、柔らかくする作用が期待できます。
(4)腸マッサージ
お腹を温めたり、おへその周りを”の”の字にマッサージしたりすると、腸の移動もスムーズになるため効果的です。
あなたの便秘に周期性があったら、女性ホルモンの影響を受けているのかもしれません。生理の開始とともに改善されることが多い生理前の便秘ですが、便秘が続く場合は生活習慣を見直すことも賢明です。
【参考】
※ 便秘に関する調査 – 武田薬品工業