今、テレビや雑誌で特集が組まれるほど話題の「冷ご飯ダイエット」。
しかし、このダイエットにはしっかりとした知識と、成功するためのポイントがあります。よく知らずに試すと逆効果を招いたり、せっかくのダイエットが無駄になってしまったり…という可能性も。
今回は、冷ご飯ダイエットを試す前に知っておきたいポイントをご紹介します。
■そもそも「冷ご飯ダイエット」って?
炊く前のお米はデンプンが結合していて消化がされにくい「難消化性デンプン」という状態です。お米を炊くことによってその結合が解かれ、吸収されやすいデンプンに変化します。
そして、ご飯が冷めると再度結合し、難消化性デンプン、つまりレジスタントスターチに戻ります。
この変化を活用したのが「冷ご飯ダイエット」。実はご飯以外にも、主食となるような小麦や蕎麦、ジャガイモなどの炭水化物の多くにも当てはまるので、穀類、麺類、イモ類、そのほかのケーキ類などにも同じことが言えます。正しく理解して味方にしたいですね。
■冷ご飯のカロリーは?
通常のデンプンは1g4kcal、難消化性のデンプンであるレジスタントスターチは1g2kcalです。つまり、カロリーは半分となるということ。
ただし、ここで注意が必要なのは、冷やした際にすべてのデンプンがレジスタントスターチになるわけではないという事。
主食の約20%がレジスタントに変化するという研究がありますので、そのデータに基づいて計算してみたところ、以下のような数字が出ました。
■冷ご飯と温かいご飯のカロリー比較
通常の白米の場合…茶碗1杯分150g 252kcal
冷ご飯の場合…茶碗1杯分150g 227kcal
通常の温かいご飯の20%がレジスタントになると仮定します。120gはそのままのカロリー、レジスタントからレジスタントスターチに変化した30gだけ、カロリーが半分になるとすると、227kcal(120g…202kcal・30g…25kcal)という計算になります。
お茶碗1杯分を考えると252kcalから227kcalになるため、9.9%オフです。つまり、約10%のカロリーオフになるという計算です。
ですので、いくらカロリーオフになると言っても、そのまま半分になるわけではないため、過信して食べ過ぎるのは注意が必要です。
「冷ご飯だからたくさん食べてもいい!」ではなく、「同じ量を食べるなら冷ご飯にしてみよう!」という意識でチャレンジしましょう。
■レジスタントスターチはどうやって作られる?
レジスタントスターチは、加熱後、冷すことで増えます。冷たいときで適温は4℃〜5℃。つまり冷蔵庫内の温度程度ですね。これ以上冷たくしても増えることはありません。
また、食べる前に室温に戻してもレジスタントスターチは減りませんが、電子レンジで加熱すると減ってしまうのでNGです。ですので、「冷蔵庫で冷やして常温で食べること」が基本となります。
せっかく冷やしても、レンジなどでアツアツに温め直すと、レジスタントスターチは減ったり、なくなったりしますので気をつけましょう。
■何に多く含まれる?
レジスタントスターチは研究途上の成分であり、まだよくわからないことも多いそうです。ただし、現在は下記のようなモノに多いといわれています。
もち米 < こしひかり < ササニシキ < タイ米
それ以外にはインゲン、とうもろこし、小麦、豆類にも多く含まれます。
商品や料理などですと、おにぎり、冷やし茶漬け、寿司、冷やしパン、サンドウィッチ、冷やし麺、冷製パスタ、ポテトサラダなどです。
■その効果は?
カロリーオフとなり、ケーキなど小麦素材にも同じことが言えるほかにも、租借回数のUPや免疫力UP、血糖値上昇を抑えるなど、研究がすすめられています。
最後に、今までは冷ご飯ダイエットのメリットなどをお伝えしてきましたが、冷ご飯は文字通り冷たい食べ物です。
ダイエットでは体や内臓を温めることも大切なので、冷ご飯を食べたら、食事の最後に飲むお茶はホットを選ぶなど、うまく調節しましょう。
冷たいものを食べたら、体を温めてあげることを意識してみるなどの工夫をして、冷ご飯ダイエットにチャレンジしてみてくださいね。
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(管理栄養士 / 豊田愛魅)