近年人気の「低糖質ダイエット」。米、パン、麺などの炭水化物の摂取量を抑えるだけなので、誰でも簡単に挑戦しやすいのも人気の理由のひとつです。
でも、やり方を間違えると、リバウンドするだけでなく、女性ホルモンに悪影響が出てしまうことも。
■血糖値と女性ホルモンの関係
もともと、糖尿病の食事療法として広まった糖質制限。どうして糖質を制限すると痩せられるのでしょうか?
糖質を多く含む食べ物を摂ると、血糖値が上昇。上がった血糖値を抑えるために、肝臓からインスリンというホルモンが生成されます。
インスリンは過剰に分泌されると、糖質と結びついて脂肪に。つまり、血糖値がなるべく上がらないようにすると、脂肪もできにくい、というメカニズムなのです。
糖質を多く摂れば摂るほど、血糖値の上下は激しくなります。
インスリンによって血糖値が下がり過ぎると、今度は、また血糖値を上げるために、アドレナリン(全身を興奮させるホルモン)やコルチゾール(ストレスがかかると分泌されるホルモン)など、さまざまなホルモンが分泌されます。
これらのホルモンが一気に増えると、自律神経がバランスを崩してしまいます。すると、自律神経と互いに影響し合っている女性ホルモンにも悪影響が。
つまり、血糖値をなだらかにする「低糖質ダイエット」は、本来、女性ホルモンにとてもよいダイエット法と言えます。
■「炭水化物を極端に減らす」のはNG!
では、低糖質ダイエットのやり方について考えてみましょう。低糖質ダイエットが上手くいかなかった人の多くは、「炭水化物の量を急激&極端に減らした」というのが共通点としてあげられるようです。
炭水化物を一切摂らないようにすると、1〜2週間ですぐに体重を減らすことができます。ただ、その方法だと長続きせず、結局元の体重に戻ってしまうことに。
糖質を極端に制限した後、また糖質を摂り始めると、体は積極的に吸収しようとするため、すぐに元の体重に戻ってしまうのです。
また、極端に炭水化物を減らすと、精神面では相当なストレスがかかります。ご飯や麺類が好きな人ほど、そのイライラは大きいものに。その精神状態に耐えられず、低糖質ダイエットをギブアップしてしまう人も多いようです。
■低糖質ダイエットが女性ホルモン減少を招く!?
このストレスは、女性ホルモンを減少させてしまう原因にも。「女性ホルモンを分泌しなさい」という指令が脳から卵巣に出ているのですが、ストレスによって自律神経が乱れることで、脳の機能にも影響を与え、正常に女性ホルモンの分泌指令を発信できなくなってしまうのです。
リバウンドを防ぎ、女性ホルモンにも悪影響を与えないためには、完全な主食抜きなど、極端な糖質オフをしないのがポイントです。また、糖質オフ=カロリーオフとは異なります。魚、肉、豆腐、チーズなどタンパク質、脂質が主成分の食品はしっかり食べるようにしましょう。
さらに、炭水化物は糖質と食物繊維で構成されているので、糖質を制限すると、食物繊維が足りなくなりがちです。食物繊維を豊富に含むキャベツ、もやし、きのこ類、海藻類などを積極的に食べるようにしてくださいね。
低糖質ダイエットは、正しく行えば女性ホルモンにとってもよい影響が出る一方、間違った方法だと、悪影響を及ぼしてしまいます。早く結果を出したいからといって、くれぐれも極端な糖質オフをしないよう注意しましょう!
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(女性ホルモン美容研究家 / 申弘美)