意外と知られていない口のこと
こんにちは、薬剤師の宮本知明です。
皆さんは、口のことについてどれだけご存知でしょうか。
体のことには詳しくても、口のことはあまり知らない方が多いと思います。
歯科領域にいない医療従事者も、口については知らない人も少なくないでしょう。
それだけ、口は注目されにくいのです。
今回は、口の中でも「唾液」の秘密をお伝えします。
唾液のアンチエイジング効果
唾液の中には、パロチンという成長ホルモンが含まれています。
パロチンは、筋肉・内臓・骨・歯などの生育を助けたり、発育を盛んにする働きを持っており、若さを保つサポートしてくれています。
唾液には、以下のようなアンチエイジング効果の期待できる様々な作用があるのです。
☑ 傷ついた皮膚を修復する。
☑ 新陳代謝を促す。
☑ 皮膚の若返りと脳を活性化する。
唾液によるストレスチェックも可能
ストレスがたまると、副腎皮質からコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが分泌されます。
これが出過ぎると、体の不調に繋がってしまうのです。
そこで、この余分なホルモンを排出する機能を担っているのが、涙と唾液。
唾液がストレスを軽減させる?
涙は、出そうと思ってすぐに出るものではありません。
そのため、しっかりと唾液を出すことは、自分のストレスの状態を知ることになるのです。
緊張したりすると、口の中がネバネバし始めますよね。
これは、リラックスするためのサインだと思って下さい。
唾液を出すだけのダイエットもある。
食事制限をせず、特別な運動もしないでダイエットする。
にわかに信じがたいこの方法を可能にするのが、唾液なのです。
食べ過ぎにブレーキをかけてくれる
唾液を出すように食事をすることで、消化吸収が良くなり、血糖値の上昇が早まって満腹感を感じやすくなります。
早食いをして脳内の満腹中枢が満腹を感じる時には、すでに食べ過ぎているのです。
最近太ってきたと感じる方は、歯ごたえのある食事を選択しましょう。
そして、30回以上噛んでドロドロの状態になってから、飲み込むようにして下さいね。
口臭予防もできる唾液パワー!
嫌気性菌は唾液が苦手
口臭の80%は口由来のもので、その原因となるのが、口の中にいる嫌気性菌。
この嫌気性菌は、酸素が嫌いな菌です。
唾液は、血液から作られるため、消化酵素以外に酸素が含まれています。
これによって、嫌気性菌の活動を制限しているのです。
口は閉じておこう
口の中が乾燥していると唾液の水分が蒸発してしまい、しっかりと働かなくなります。
皆さんの中で、口呼吸している方は要注意です。
口呼吸は、口臭だけでなく、あらゆる不調の原因となるので気を付けるようにしましょう。
天然の歯磨き粉でもある!
実は、虫歯・歯周病・口臭には、歯磨き粉を使うのではなく、何もつけないで唾液磨きが効果的なのです。
唾液で抗菌も洗浄もOK!
唾液には、抗菌作用があります。
怪我をした時に「ツバをつけておけば治る」なんて聞いたことありませんか?
その他にも、唾液には洗浄作用があり、食べカスや細菌を洗い流す効果もあるのです。しかも無害ですので、唾液磨きした後の唾液は、そのまま飲むことをお勧めします。
唾液の酵素が消化を助けている
口の中に食べ物が入った瞬間から、消化は始まっています。
それゆえ、口は目に見える消化器官とされているのです。
味を感じるのに必要な「消化酵素」が出ている
ご飯だけをよく噛んで食べると、甘味が出てきますよね。
これは、唾液に含まれる消化酵素の酵素アミラーゼにより、デンプンが分解されているから。
味を感じるのは、唾液のおかげでもあるのです。
唾液は栄養の不足分を伝えるサイン
また、甘い物が欲しくなったり、すっぱい物を欲したりするのも唾液が関係しています。
身体に必要な栄養素が不足していることを伝える、唾液からのサインが出されているのです。
そのため、唾液の状態を知ることは、自分の体調管理にも繋がるのです。
おわりに
意外に知られていない唾液のすごさ、ご理解頂けたでしょうか。
しっかりと唾液が出る生活をして、健康的に過ごしていきましょう。