ダイエットセラピスト、小林一行です。
さて、前号では、ダイエットを成功させるために本当に必要なことは、「ストレスをなくすこと」だとお伝えしました。
しかし、「ストレスをなくしてください」と言われても、簡単になくせるものではないでしょう。
ストレスを解消するというのは、容易なことではありませんし、全くゼロにすることなどできません。
ストレスは人間にとって、ある程度は必要なものです。だから、ストレスをゼロにしようとしても無駄です。ただ、「過度なストレス」は、やはり健康にもよくないし、もちろんダイエットの障害となってしまいます。
でも、ストレスは意外な方法で、小さくすることができます。そして、ある程度、小さくすることができれば、さほどダイエットの障害にはなりません。
今回は、そんな意外なストレス解消法をお伝えします。
一般的なストレス解消法とは?
まず、一般的なストレス解消法には、どんなものがあるでしょうか?「ストレス解消」と聞いて、思い浮かべるものは何ですか?
「スポーツをする、旅行に行く、寝る、ボーッとする、映画を見る、本を読む」などなど、たくさんありますよね。あなたは、どんなストレス解消法を持っていますか?
こうした、一般的にいわれているストレス解消法。これもとっても有効です。ぜひ、大いにやってください。
ただし一点、注意があります。
それは、「心ゆくまで楽しむこと」です。
特にスポーツなどを、「ダイエットのために、がんばらなくちゃ!」と、「楽しみのため」ではなく「ダイエットのため」と考えてしまうと、どうしても「痩せる」という「成果」を求めてしまいます。
成果を求めてしまうと、それが停滞期などによって、思うように得られない場合、続ける意味が感じられなくなり、挫折しやすくなります。
また、がんばって続けていても、「成果が出ない」と感じてしまうと、続けることがストレスになり、これまたダイエットに挫折しやすくなります。だからこそ、あくまでスポーツは「楽しむため」にやるべきなのです。
旅行なども、とてもいい気分転換なのですが、これは「継続性」がありません。
毎週毎週、旅行に行ける人って、なかなかいませんよね?そして旅行から帰ってくると、日常生活に戻らなくてはなりません。旅行が楽しければ楽しいほど、その反動で、日常生活に戻るときに大きなストレスを感じてしまいます。
旅行もスポーツも、ストレス解消の手段としてはいいのですが、それ以外に「日常生活の中」にも、ストレスを解消できる手段を持つべきなのです。
「甘いもの」でストレス解消は悪いこと?
また、ストレスを一時的にでも解消するために、甘いものやお菓子などを食べることも多いと思います。日常生活の中で、最も手っ取り早く癒やしが得られる手段ですね。
でも、ダイエットしたいと考えている人は、大抵の場合、甘いものを食べたとき、「こんなものを食べちゃうからダメなんだ、太るんだ」と、自分を責めて否定してしまいます。
実は、この「自分を責める」ということが、最もいけないことなのです。
ストレス解消のために甘いものを食べることは、悪いことでも何でもありません。自分がストレスから身を守ろうとしている、大切な「心の防御反応」です。
最初に、それを理解してあげましょう。
「あ〜、自分は心の奥底に苦しみがあるから、甘いもので解消しようとしているんだ」ということを理解して、受け入れてあげましょう。
そうした苦しみの存在を受け入れてあげるだけで、「自分を責める心」、つまりストレスは、かなり和らげることができます。
苦しんでいる自分を理解して、それを解消しようとしている自分を、素直に認めてあげましょう!
そして、甘いものを食べるときは、罪悪感を捨てて、自分をもてなすように、じっくり味わって食べましょう!
このとき、必ず、おいしい紅茶などの飲みものを添えることも重要です。お茶を飲みながら、ゆっくり時間をかけて、お菓子を食べましょう。
そうすれば、それほど食べなくても、満足して、ストレスも和らげることができます。
「ストレス」の存在に気づく
さて、日常生活の中でストレスを解消する方法として、最もオススメのものをご紹介します。
それは、以下の2つです。
●自分の中の「ストレス・苦しみ」の存在に気づく
●自分を徹底的に甘やかす
ストレスは、この2つを心がけるだけで、かなり和らぎます。
「あ〜、私はこういう苦しみを持っていたんだ」と、ストレスの存在に気づいて、「そうか、だから私はつらかったんだね」と、そのストレスの中でがんばっていた自分を受け入れてあげると、その苦しみが和らいでいきます。
まずは、「ストレスいっぱいの中で、がんばっている自分を認めてあげる」こと。このことが、とってもとっても大切です。
これをやらなければ、この先のことはまったく効果がありません。
「自分を甘やかす」ことって悪いこと?
「自分を甘やかしてしまったら、向上心がなくなって、何も行動しなくなるんじゃない?」と、そう思う方も多いでしょう。でも、実はこれは逆なんです。
こう考えてみてください。
泥沼の中でいくらジャンプしようとしても、飛べませんよね。「自分はダメな人間だ」「自分なんか何もできない」と思っている状態って、まさに、この泥沼の中にいる状態です。
ここから飛ぶためには、まずは足元をしっかり踏み固めることが大切です。
そうでなければ、いくら筋肉を鍛えても、効果的に飛ぶテクニックを教わっても、全く飛ぶことはできませんよね?
そのためには、「今の自分を、ありのまま受け入れる」ということが重要です。
「今の自分を受け入れる」ことって、「足元を踏み固める」ための、とても大切な作業なんです。
そして、「自分を甘やかす」ことは「自分を受け入れる」ために、とても大切なことなのです。
では次に、自分を甘やかすには、どんなふうに行えばよいのか、解説します。
お母さんが赤ちゃんに語りかける言葉が大きなヒント
子どもが生まれたときに、母親が赤ちゃんに語りかける言葉って、何でしょう?
あなたがお母さんなら、お子さんが生まれたときに、どんな言葉をかけたか思い出してください。
「あなた、東大に入らなくちゃダメよ!」とか「あなたは社長になって億万長者にならなくちゃダメよ!」などとは、絶対に言わなかったはずです。
『生まれてきてくれて、ありがとう』
この一言ですよね?
『生まれてきてくれて、ありがとう』。この言葉は、赤ちゃんの存在を、そのまま無条件に受け入れる天使の言葉です。
この言葉を、自分自身にかけてあげてください。
『今まで生きていてくれて、ありがとう』
『生きているだけで、すばらしい』
自分自身にそう語りかけてあげれば、自分が生きているというそのことに、感謝することができます。
何も条件はいりません。無条件でいいのです。いや、無条件でなければなりません。
こうした無条件の愛情を、自分に対して与えてあげてください。
実際、一人の人間が生きているって、すごいことなのです。いろいろな人の協力のうえに生きているし、自分が生きていることでいろいろな人に影響を与えています。
だから、あなたの存在って、あなたが考えるよりずっとずっとすごくて、尊いことなのです。
だから、「今の自分も尊い存在」「今の自分は、そのままでOK!」と、今の自分を無条件に受け入れることが、ストレスを解消するうえで、とても大切なことなのです。
そして、ここがすべての出発点なのです。このことを十分に理解して、実践し、自分が楽になれば、泥沼を抜けて、足元をしっかり固めた状態になれます。
これが「自分を徹底的に甘やかす」極意です。
このステップが一番大事なところですし、なかなかわかりにくいところです。
「無条件に自分を受け入れるって、どういうこと?」。こうした質問もたくさん受けます。
次回に、もう少し具体的にお話します。
文:小林一行