『水ダイエット』なんていう言葉を聞いたことがあると思いますが、水を飲むだけで本当にダイエットの効果があるのでしょうか?
答えから言いますが、真水をしっかり飲んでオシッコをしっかり出すことは、ダイエットにも健康にも良いです。
真水を飲む習慣がない方は、500ml(500cc)から始めましょう。
よく「水を3リットル飲め!」なんていう人もいますが、初心者さんには無理です。
500ccでしたら、朝起きた時に少し飲んで、お仕事中もデスクに置いておけば目に留まった時にちょっとずつ飲みます。
そしてダイエットのためのエクササイズをしている時にもノドが渇きますから、セット間の休憩に少しずつ飲みます。
そうすれば500mlなんてあっという間に飲み切ります。
そうなったら、今度は1リットルにチャレンジしてください。
真夏でしたら2リットルは普通に飲めます。
最初は、ノドが渇いていなくても意識して飲むようにしてください。
飲むようにしていくと、体が『正常に』機能して、ノドが渇くようになるのです。反対に言うと、ガマンする習慣がある人の体は、正常な機能がマヒして、ノドが渇いたという信号をブロックしてしまうのです。
■水ダイエットの注意点
「何でもいいから水分を摂れば良い」というふうに誤解されないでください。
確かに何も飲まないで脱水症状になるよりは良いのですが、ダイエットの効果を最大限引き出すには、やっぱり真水です。
お茶でもなく、ましてやジュースやコーラでは糖質が追加されてしまうので逆に太ります。スポーツドリンクもNGです。
真水でも一気に大量に飲まない事
飲んだ水は腸から吸収され血液に加わります。
一気に血液中の水分量が増えますので、血圧が上がります。心臓や脳に負担がかかりますので、一気に大量に飲まないように注意しましょう。
特殊な例ですが、アメリカで水飲み大会があったのですが、参加者が短時間で大量に水を飲み過ぎたために、脳が圧迫されて亡くなってしまった事故がありました。
ご家庭で普通に飲む分には、グビグビ飲んでも問題無いですが、ダイエットをあせって無理はされないようにお願いいたします。
■なぜ水を飲むとダイエットにも健康にも良いのか
日本人の大人はガマン強いです。そして、仕事中にオシッコが頻繁に出ないように、水分を抑えている人も多いですが、これがダイエットにも健康にも悪いのです。
中には「水太りする」なんていう迷信を信じている人もいるでしょう。
もちろん、500cc飲んだら0.5キロ体重は増えますので、その数字自体が気になるお気持ちも良く分かるのですが、実際に体脂肪が0.5キロ増えて太ったわけではありませんので、そこは誤解されないようにされてください。
水を飲んで体重の数字が増えても、太っているわけではありません。
むしろ、余計な糖分を排出して、太る要素を減らしているのです。
あなたも『糖尿病』って聞いたことがありますよね?
あれは、血液中の糖分が多すぎて(血糖値が高すぎて)、それをろ過したオシッコにまで大量に糖分が残ってしまう状態です。
つまりこれを違った意味でとらえれば、
『オシッコをたくさん出せば、糖分もたくさん出せる』
ということでもあるのです。
水を飲む
↓
腸から吸収されて血液に加わる
↓
血液中の水分が多くなる
↓
腎臓でろ過してオシッコとして排出される
この過程の中で、水分と一緒に血液中の糖分も出ていくわけです。
血液中の糖分が減るということは、中性脂肪に換わる量も減るということです。
太るメカニズムは、『血液中の余った糖分が中性脂肪に変換されるから』でしたね。
ということで、
『お水をたくさん飲むことで、血液中の糖分を減らし、ダイエットできる』
ということがご理解いただけたと思います。
また、『腸から吸収されて血液に加わり、腎臓でろ過してオシッコとして排出される』というこの過程自体が『代謝』になっているわけですので、そこでカロリーも消費されているのです。
そのエネルギー消費も、ダイエットにプラスになっています。
水を飲むとダイエットだけでなく健康にも良い
さて、なぜ健康にも良いのか・・ですが、もうここまでのお話でだいたいお分かりだと思います。
先ほどお話したように、血液中の糖分が減らせるわけですので、糖尿病の改善になります。
血糖値が高すぎた場合は、その糖が毛細血管を詰まらせてしまうのです。
例えば、目の中の毛細血管を詰まらせてしまうと視力低下や失明することになります。他には、足の先の血管を詰まらせて壊死してしまうこともあります。その場合は足を切断しなければいけません。
糖尿病は、そんな恐ろしい病気です。
ただこれも、水を飲めばすべての糖尿病が解決されるわけではありません。
糖質を摂り過ぎたわけではない方も、糖尿病になりえます。
インスリンというホルモンが不足すると、血液中の糖分を細胞に運んで筋肉や脳で消費することができなくなるのです。
こういう症状の方は、脳にエネルギーが足りず貧血を起こしたり、筋肉がけいれんしたり最悪は心停止したりしてしまいます。そして、糖分を消費できず血液中に余ってしまうわけですから、先ほどお話したように、失明したり足先が壊死したりしてしまうのです。
そういう症状の方は、病院で適切に治療を受けたり、自分でインスリン注射を打ったりする必要があります。
さて、水を飲まないリスクは他にもあります。
水をガマンして飲まないと、単純に体が脱水症状を引き起こしますが、他にも目に見えない悪影響があります。
オシッコを出す機能 は、もともと余分な水分を出すためだけにあるわけではなく、『毒素・ウイルス・老廃物の排出』も大きな役割なのです。
ですが、水を飲まないようにガマンしてしまうと、脱水症状にならないように身体が防衛機能を果たします。
オシッコやウンチから、再び水分を無理やり吸収しようとするんですね。
しかし、オシッコやウンチには、体内から排出した『毒素・細菌・老廃物』があるわけですので、それらがまた体内に循環してしまうわけです。
これでは体調が悪くなって当たり前ですよね。
また、ウンチの水分が絞り取られてカラカラになりますから、当然便秘になります。
そうなるとさらにそこで悪玉菌が増殖し、有毒ガスの発生で腸が炎症・変形したり、毒素が大量に出てそれを腸が吸収し体内に入ってしまう・・・
という恐ろしいことが起こるのです。
それが全身を駆け巡って、血管を痛めつけたり、脳細胞を汚染して認知症になったり、うつ病の原因にもなったりします。大腸ガンのリスクも高まります。
腸が汚れたり疲労するということは、とても健康に悪いのです。
■水を飲むだけではダイエットは成功しない
さて、ここまで水ダイエットと健康のお話をしてきたわけですが、間違ってはいけないのが「水を飲めば劇的に痩せられる」という勘違いです。
そこまでダイエットは簡単ではありません。
なぜならば、あなたが太ってしまう根本原因を解決していないからです。
糖質の摂り過ぎ(たんぱく質が足りない)、運動不足(負荷不足)で筋肉量と成長ホルモンが減って代謝が落ちているわけです。
この根本原因を直さないで、お水だけガブ飲みしただけではダイエットは成功しません。
糖質とタンパク質のバランスを整え、無酸素運動で筋肉量と成長ホルモンを増やし、代謝の高い体に治してあげてください・・・